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「介護が必要になったら、施設を探すことになるのだろうか」介護という言葉から、まず施設入居を思い浮かべる人も多いかもしれません。介護が必要になったからといって、すぐに自宅を離れるとは限りません。

厚生労働省が2026年10月9日に公表した「介護保険事業状況報告(2026年7月暫定版)」によると、全国の要介護・要支援認定者は745.0万人となりました。65歳以上の第1号被保険者に対する認定者の割合は20.4%で、おおよそ5人に1人です。

一方、居宅サービスを利用している人も全国で452.0万人います。介護を考えるときは、施設を探すことだけではなく、今の住まいでどこまで生活を続けられるのかも重要な視点になります。

目次

1.要介護・要支援認定者は745万人
2.介護認定=すぐ施設ではない
3.介護が始まると家の使いにくさが見えてくる
4.介護と住まいを別々に考えない

1.要介護・要支援認定者は745万人

厚生労働省によると、2026年7月末現在の要介護・要支援認定者は745.0万人です。

内訳は男性240.1万人、女性504.9万人。65歳以上の第1号被保険者3,588万人に対し、認定者の割合は20.4%となっています。おおよそ5人に1人という数字を見ると、介護は一部の家庭だけに関係する問題ではないことが分かります。

要支援1から要介護5まで、必要になる支援の内容や生活状況はさまざまです。また、認定を受けていることと、実際に介護サービスを利用していることも同じではありません。

大切なのは「745万人もいる」と数字だけを見るのではなく、介護を多くの家庭に関係する暮らしの変化として捉えることです。

2.介護認定=すぐ施設ではない

介護が必要になったとき、「自宅ではもう暮らせない」と考える必要はありません。今回の厚生労働省の報告では、居宅サービス受給者は452.0万人、施設サービス受給者は97.3万人となっています。なお、これらは対象となるサービス月などが異なるため、745万人に対する単純な構成比として比較することはできません。

それでも、居宅サービスを利用している人が400万人を超えていることから、自宅で介護サービスを受けながら暮らしている人が多いことが分かります。訪問介護や通所介護、訪問看護、福祉用具などを利用し、家族の支援も組み合わせながら生活する方法があります。

そのため、介護が始まったときに考えることは「施設へ行くかどうか」だけではありません。

今の家で生活を続けるために何が必要なのか。その家で暮らすことが本人にとって負担になっていないか。まずは現在の暮らしから整理していくことになります。

3.介護が始まると家の使いにくさが見えてくる

長く暮らしてきた家でも、身体の状態が変わると、それまで気にならなかった場所が負担になることがあります。玄関の段差や2階への階段、深い浴槽、滑りやすい床、寝室から遠いトイレなどは、元気に生活している間は問題にならなくても、足腰が弱くなると使いにくさが表面化します。庭や敷地の管理も同じです。草取りや庭木の剪定、家の周囲の掃除などは、身体の変化によって続けることが難しくなる場合があります。

介護保険では、在宅生活を支えるため、一定の条件のもとで手すりの取り付け、段差の解消、滑りにくい床材への変更、扉の交換、洋式便器への交換などの住宅改修が給付対象となっています。

支給限度基準額は原則20万円で、所得に応じて7~9割が保険給付となります。基本的には工事前の申請が必要です。ただ、住まいの問題は改修だけで解決するとは限りません。

例えば、1階だけで生活できる間取りなのか、買い物や通院を続けられる場所なのか、庭や建物の管理を誰が担うのかによっても、暮らしやすさは変わります。介護が必要になったときには、身体の状態だけを見るのではなく、その人の生活と家全体を一緒に見ることが重要です。

4.介護と住まいを別々に考えない

介護の相談は介護事業者、住宅改修は工事会社、家の売却は不動産会社、施設探しは施設紹介会社というように、相談先は分かれていることが多くあります。実際の暮らしでは、それぞれがつながっています。

例えば階段を使うことが難しくなったとしても、手すりを付ければ生活できる場合もあれば、寝室を1階へ移す方がよい場合もあります。訪問介護を利用すれば自宅で生活を続けられることもあれば、子どもの近くへの住み替えや高齢者向け住宅、施設を検討した方がよいケースもあります。さらに住み替えることになれば、それまで住んでいた家を売るのか、貸すのか、家族が使うのか、しばらく管理するのかという問題も出てきます。

このように、介護が始まると、本人の身体の状態だけではなく、暮らし方、家族ができる支援、住まいの状態、今後必要になる費用などが互いに関係してきます。介護と住まいを別々の問題として進めないことが大切です。

それぞれを一緒に整理することで、その人と家族に合った選択肢が見えやすくなります。

まとめ

2026年7月末現在、全国の要介護・要支援認定者は745.0万人。65歳以上の第1号被保険者に対する認定者の割合は20.4%となっています。

一方、居宅サービス受給者は452.0万人です。介護が必要になったとしても、すぐ施設へ移るとは限りません。自宅で介護サービスを利用しながら暮らす方法もあれば、住宅を改修する、生活する場所を変える、住み替える、施設を選ぶといった方法もあります。

重要なのは、「誰が介護するか」だけで考えないことです。

どこで、どのように暮らすのか。そのために住まいをどう整えるのか。

介護と住まいを一緒に考えることで、選べる方法は変わってきます。745万人という数字から見えてくるのは、これからの介護には、身体への支援だけではなく、暮らしと住まいを一体で考える視点がますます必要になるということです。

つづく