「暖房をつけているのに、なぜか部屋が寒い」「毎年、冬になると光熱費が気になる」そんなとき、暖房の設定温度を上げる前に確認したいのが家そのものの寒さ対策です。
国土交通省の資料では、冬に住宅から逃げる熱のうち、58%が窓やドアなどの開口部からとされています。壁15%、換気15%、床7%、屋根5%と比べても、窓まわりから逃げる熱の割合が大きいことが分かります。
冬の住まい改善は、家全体を大掛かりにリフォームしなくても、まず窓・暖房・部屋間の温度差・結露を見ることで改善できる場合があります。
冬本番を迎える前に自宅で確認したい4つのポイントを、費用をかけにくい方法から整理します。

目次
1.最初に見るのは「窓」
2.暖房は設定温度より使い方を確認
3.リビングだけでなく脱衣所・廊下も寒くしすぎない
4.結露は「冬だから仕方ない」で終わらせない
1.最初に見るのは「窓」
冬の室内が寒い原因というと、壁や床の断熱を思い浮かべるかもしれません。
もちろん家全体の断熱性能は重要です。ただ、外気の影響を特に受けやすいのが窓やドアです。
国土交通省の資料では、冬に暖房した住宅から外へ逃げる熱の割合は、
▪窓・ドアなどの開口部 58%
▪外壁 15%
▪換気 15%
▪床 7%
▪屋根 5%
そのため、「部屋が寒い」と感じたときは、まず窓まわりを確認する価値があります。最初から窓を交換する必要はありません。厚手のカーテンを使う。カーテンの丈が短すぎないか確認する。窓枠に大きなすき間がないか見る。こうした小さなところから始められます。それでも窓際の冷気や結露が強い場合には、内窓の設置や断熱性能の高い窓への交換も選択肢になります。高断熱の窓やドアは、室内の熱を逃がしにくくするだけでなく、ガラスやサッシが冷えにくくなるため、結露を抑える効果も期待できます。
2.暖房は設定温度より使い方を確認
寒いと、ついエアコンの設定温度を上げたくなります。その前に確認したいのが、暖房機器の状態です。
例えばエアコンなら、フィルターにほこりがたまると効率が落ちます。資源エネルギー庁では、エアコンのフィルターを月1~2回清掃した場合、目詰まりした状態と比べて年間約32kWhの省エネ、電気代では年間約990円の節約になるという目安を示しています。
一世帯で見ると大きな金額ではありませんが、掃除だけで改善できる部分です。
暖房を使い始める前に、フィルターは汚れていないか。室外機の前に物を置いていないか。暖かい空気が家具などで遮られていないか。を確認します。
また、暖かい空気は上にたまりやすいため、サーキュレーターなどで室内の空気を動かす方法もあります。冬の省エネは「我慢して暖房を切る」ことではありません。
同じ暖かさを、できるだけ無駄なくつくることが基本です。
3.リビングだけでなく脱衣所・廊下も寒くしすぎない
冬の家で見落としやすいのが、部屋ごとの温度差です。
リビングは暖かい。廊下へ出ると急に寒い。脱衣所も寒い。そこから熱い浴槽へ入る。こうした急な温度変化は、体に負担をかけます。
国土交通省は、居間や脱衣所の室温が18℃未満の住宅では、入浴事故のリスクが高いとされる42℃以上の「熱め入浴」が約1.7倍に増えるという調査結果を紹介しています。
これは高齢者だけの問題ではありません。国土交通省も、住宅内の温度差は年齢に関係なく入浴時の事故リスクを高める要因になるとしています。
冬は「リビングを暖かくする」だけでなく、脱衣所。浴室。寝室。トイレ。廊下。など、移動する場所との温度差も意識したいところです。小型暖房器具を使う場合は、火災ややけどに注意しながら、入浴前だけ脱衣所を暖める方法もあります。
大掛かりなリフォームをするなら、部分的な暖房だけでなく、窓や断熱性能を改善して家全体の温度差を小さくするという考え方もあります。
4.結露は「冬だから仕方ない」で終わらせない
朝起きると窓が水滴でびっしょり。冬にはよくある光景です。しかし、結露を毎日そのままにしておくのはおすすめできません。
結露は、暖かく湿った室内の空気が、冷たい窓や壁などに触れることで発生します。国土交通省は、結露がサッシ周辺のカビだけでなく、条件によっては住宅の木材を腐らせる原因にもなると説明しています。
まずできるのは、適切に換気する。結露した水分を放置しない。家具を壁へ密着させすぎない。室内で必要以上に湿度を上げない。といったことです。
それでも毎冬大量の結露が発生する場合には、生活の仕方だけではなく、窓や住宅の断熱性能そのものが関係している可能性があります。「冬だから結露するのは普通」と放置せず、家からの小さなサインとして見ておくことも大切です。
まとめ
冬の住まいが寒いとき、最初から大掛かりなリフォームをする必要はありません。
まず確認したいのは、
▪窓から冷気を感じないか。
▪暖房機器をきちんと手入れしているか。
▪リビングと脱衣所などの温度差が大きくないか。
▪結露を放置していないか。
特に住宅では、冬に逃げる熱の58%が窓やドアなどの開口部からとされています。
寒さ対策は、「暖房をもっと強くする」だけが答えではありません。
今ある暖房を効率よく使う。窓から逃げる熱を減らす。家の中の温度差を小さくする。結露を減らす。できるところから順番に改善していく。
それでも寒さが改善しない場合に、窓交換や断熱改修など、次の対策を検討する。
冬が本格的に始まる前の今こそ、家の「寒い場所」を見つけておくタイミングです。
つづく