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「100歳まで生きる人は、本当にそんなに増えているの?」

2026年、日本の100歳以上の高齢者は初めて10万人を超えました。

厚生労働省によると、2026年9月時点で10万7,677人。前年から7,914人増えています。1963年にはわずか153人だったため、60年余りで大きく増えたことになります。

なぜ、ここまで増えたのでしょうか。

一つの理由だけで説明することはできませんが、大きく見ると、以前より80代、90代まで生きる人が増え、その先の100歳へ到達する人も増えてきたことが背景にあります。実際、2025年の生命表では、90歳まで生存する割合は男性26.7%、女性50.8%とされています。

この記事では、「100歳以上10万人」という数字が何を意味しているのか、できるだけ分かりやすく見ていきます。

目次

1.100歳以上は153人から10万7,677人へ
2.なぜ100歳まで生きる人が増えた?
3.100歳以上の約9割が女性なのはなぜ?
4.「高齢者が増える」から「高齢者も高齢になる」時代へ

1.100歳以上は153人から10万7,677人へ

100歳以上の高齢者数の推移を見ると、日本の長寿化がよく分かります。

厚生労働省によると、

・1963年 153人
・1981年 1,000人超
・1998年 1万人
・2012年 5万人超
・2025年 9万9,763人
・

2026年には、ついに10万人を超えました。今年度中に100歳を迎える対象者だけでも5万4,294人います。この数字を見ると、「人生100年時代」という言葉が、単なる将来予測ではなくなってきていることが分かります。

日本人全員が100歳まで生きるという意味ではありません。重要なのは、100歳という年齢まで生きる人が、以前よりはるかに珍しくなくなったということです。

2.なぜ100歳まで生きる人が増えた?

「医療が進歩したから」と考える人も多いでしょう。もちろん医療の進歩は長寿化を考えるうえで重要です。長寿化は医療だけではなく、衛生環境、栄養、生活環境、疾病予防など、長い期間のさまざまな変化が積み重なった結果として見る必要があります。分かりやすいのが、「何歳まで生きる人が増えているか」です。

厚生労働省の2025年簡易生命表では、出生者10万人について、

▪75歳まで生存する割合は男性76.0%、女性88.1%。

▪90歳まで生存する割合は男性26.7%、女性50.8%

女性では、生命表上、半数以上が90歳まで生存する計算です。100歳以上の人だけが突然増えたのではありません。まず70代、80代、90代まで暮らす人が増え、その延長として100歳へ到達する人も増えている。こちらの方が、実態を理解しやすいでしょう。

3.100歳以上の約9割が女性なのはなぜ?

2026年の100歳以上10万7,677人の内訳を見ると、

▪男性 1万3,379人
▪女性 9万4,298人

女性は全体の約87.6%を占めています。なぜこれほど差があるのでしょうか。一つの手掛かりが、先ほどの生命表です。

2025年時点で90歳まで生存する割合は、

▪男性26.7%
▪女性50.8%

と、大きな差があります。

100歳になる前の段階ですでに、女性の方が高い年齢まで生存する割合が高くなっています。「女性だから必ず長生きする」という意味ではありません。病気や生活環境など個人差は大きくあります。日本全体の統計を見ると、超高齢期になるほど女性の割合が高くなることは知っておきたい特徴です。

この違いは、これからの一人暮らしや介護、住まいを考えるうえでも無関係ではありません。

4.「高齢者が増える」から「高齢者も高齢になる」時代へ

もう一つ、これから注目したい数字があります。

総務省の人口推計では、2026年4月時点の65歳以上人口は3,621万1千人で、前年同月から1万9千人の増加でした。一方、75歳以上人口は2,153万1千人で、前年より47万9千人増えています。

ここから見えてくるのは、「高齢者の人数が増える」だけではなく、「高齢者の中でも、より高い年齢の人が増えている」という変化です。

65歳と85歳では、暮らしは同じではありません。65歳なら仕事を続けている人も多くいます。一方、年齢を重ねれば、買い物、通院、運転、介護、住宅の修繕、庭の管理など、それまで普通にできていたことが難しくなる場合があります。

住まいの相談でも、「今住めるか」だけでなく、「80代、90代になっても、この家で暮らしやすいか」という視点が重要になってきます。

長寿化によって変わるのは、寿命の数字だけではありません。暮らしを考える時間そのものが長くなっているのです。

まとめ

2026年、日本の100歳以上の高齢者は初めて10万人を超え、10万7,677人となりました。

1963年には153人でした。ここまで増えた背景を考えるとき、大切なのは「100歳の人だけが増えた」と見ることではありません。2025年の生命表では、90歳まで生存する割合が男性26.7%、女性50.8%となっています。より高い年齢まで生きる人そのものが増え、その先に100歳以上の増加があります。そして現在は、75歳以上の人口も増えています。

これからの高齢化を考えるときは、「高齢者が何人いるか」だけでなく、「何歳まで、どのような暮らしをする人が増えるのか」を見る必要があります。

100歳以上10万人という数字は、日本が「長生きできる社会」になったことだけでなく、長くなった人生に合わせて、暮らしや住まいも考え直す時代に入ったことを示す数字でもあるのではないでしょうか。

つづく