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こんにちはキャリーライフ中川です。

「日本は人口が減っているのだから、必要な住宅もすぐに減っていく」そう考えそうですが、実際はそれほど単純ではありません。2020年の国勢調査では、一人暮らしの「単独世帯」は一般世帯の38.1%を占め、すでに最も多い世帯類型でした。さらに国立社会保障・人口問題研究所の推計では、2025年には40.1%、2050年には44.3%になると見込まれています。これからの日本では「家族みんなで一つの家に暮らす」だけではなく、一人ひとりが別々の住まいを持つ暮らしがさらに増えていくことになります。

世帯の人数が変われば、必要な住宅の広さや間取り、住宅が必要とされる場所も変わります。

今回は、増えている一人暮らしから、これからの住まいを考えてみます。

目次

1.一人暮らし世帯は本当に4割まで増えた?
2.人口が減っているのに、なぜ世帯数は増える?
3.世帯が小さくなると住宅はどう変わる?
4.一人暮らしは若い人だけの話ではない

2020年の国勢調査では、日本の一般世帯約5,570万世帯のうち、単独世帯は約2,115万世帯でした。割合は38.1%です。「夫婦と子ども」の世帯は25.1%、「夫婦のみ」は20.1%ですから、現在では一人暮らしが最も大きな世帯の形になっています。

この変化は今後も続くと予測されています。

国立社会保障・人口問題研究所の2024年推計では、単独世帯の割合は2025年に40.1%、2030年に41.6%、2050年には44.3%まで上昇します。一方、「夫婦と子ども」の世帯は2020年の25.2%から2050年には21.5%まで低下する見通しです。

「一人暮らしが増えている」ということは、単に人口構成が変わっているだけではなく、住宅の使われ方も変わっているということです。

これまで住宅の代表的なイメージだった「夫婦+子ども」という暮らし方だけを基準に、これからの住宅を考えることは難しくなっていきます。

2.人口が減っているのに、なぜ世帯数は増える?

ここには少し意外な動きがあります。日本の人口は減少していますが、一般世帯数は2020年の約5,570万世帯から増え、2030年に約5,773万世帯でピークを迎えると推計されています。その後、ようやく世帯数も減少していきます。

人口が減るのに、世帯数が増える。その大きな理由が、一つの世帯で暮らす人数が少なくなっていることです。全国の平均世帯人員は2020年の2.21人から減少し、2033年には初めて2人を下回り、2050年には1.92人になると見込まれています。

例えば、親と子ども2人の4人家族が一つの住宅で暮らしている間は、世帯は一つです。

ところが子ども2人がそれぞれ独立すると、

親の世帯
子どもAの世帯
子どもBの世帯

と、同じ4人でも複数の世帯に分かれます。

人が少なくなっても、一人ひとりが別々に暮らせば住宅は必要です。

そのため、人口減少=住宅需要も同じ速度で減少するとは限りません。

空き家が増えている一方で、新しい住宅も必要とされる理由を考えるときにも、「人口」だけでなく「世帯数」を見る必要があります。

世帯人数が減れば、住宅に必要とされる広さも変わります。一人で暮らす人に、必ずしも4LDKが必要なわけではありません。ワンルームや1LDKを選ぶ人もいれば、在宅勤務のためにもう一部屋欲しい人もいます。車を持たず、駅や店に近い場所を優先する人もいるでしょう。住宅の仕事に長く関わっていると、以前は「家族4人なら何LDK必要か」という考え方が住まいづくりの基準になりやすかったと感じます。これからは住む人数だけでなく、どこで働くのか、車を持つのか、家の外に何があるのか、将来どのくらいの期間そこに住むのかまで含めて、必要な住宅を考えることになります。「住宅が小さくなった=暮らしが悪くなった」とも限りません。

住む人が少なくなれば、使わない部屋を増やすより、生活する場所をコンパクトにまとめる方が暮らしやすい場合もあります。一方、趣味や仕事、家族が集まる場所として広さが必要な人もいます。

大切なのは、世帯の形が多様になれば、適した住宅の形も一つではなくなるということです。

一人暮らしというと、進学や就職で親元を離れた20代を思い浮かべるかもしれません。

しかし、これから増えていくのは若い単身者だけではありません。65歳以上人口のうち一人暮らしをする人の割合は、2020年の20.5%から2050年には27.9%まで上昇すると推計されています。つまり2050年には、高齢者のおよそ4人に1人以上が一人で暮らす時代になる見通しです。

ここで住宅に求める条件も変わってきます。

若い頃なら、「狭くても駅に近い」が優先されるかもしれません。高齢になれば、階段が少ないこと、買い物や病院へ行きやすいこと、家の管理が負担にならないことも重要になります。反対に、子育て時代に建てた広い戸建てで、その後一人暮らしをする人も増えるでしょう。住宅は建てたときの家族人数に合わせてつくられていても、住む人の人数は数十年の間に変わっていきます。このズレは、これからの住まいを考えるうえで大きなテーマになると思います。

2020年には一人暮らし世帯が一般世帯の38.1%を占め、2025年の推計では40.1%。2050年には44.3%まで増えると予測されています。同時に、平均世帯人数は減少していきます。

つまり日本では、人口が減るだけではなく、人々がより小さな単位に分かれて暮らす社会へ変わっています。その変化を考えると、住宅も「家族4人のための家」だけでは捉えられなくなります。一人で暮らすためのコンパクトな住宅も必要ですし、夫婦2人に適した住宅も必要です。一方では、4人で暮らすために建てられた住宅に、将来1人で住むこともあります。だから、これから住宅の広さを考えるときには、「今は何人で暮らしているか」だけではなく、「この家に将来何人で暮らすのか」という視点も必要になります。

家族の人数が変われば、住まいに必要なものも変わる。これは新築住宅を選ぶ人だけではなく、今すでに家を持っている人にも関係する変化です。そして、世帯が小さくなっていることを考えると、次に気になるのが「小さい住宅でも暮らしは成立するのか」ということです。

都心では20~30㎡ほどの住宅で暮らす人も珍しくありません。

次は、家の広さと、その外にある街の便利さから住まいを考えてみます。