こんにちはキャリーライフ中川です。
親の運転を見て、「そろそろ免許を返した方がいいのでは」と感じたことはありませんか。
一方で、本人からすれば、「まだ普通に運転できる」「車がないと買い物にも病院にも行けない」という思いがあります。
免許返納には、一律に「何歳になったら返す」という決まりはありません。
70歳以上では免許更新時に高齢者講習が必要になり、75歳以上では認知機能検査が必要です。さらに、75歳以上で一定の違反歴がある場合には、運転技能検査に合格しなければ更新できません。ただ、本当に考えたいのは年齢だけではありません。
「今の運転に変化はないか」そして「車をやめても、その後の暮らしが成り立つか」この2つを一緒に考えることが大切です。

目次
1.免許返納は何歳から?年齢だけの決まりはない
2.70歳・75歳以上で何が変わる?
3.運転を見直したい10のサイン
4.親に免許返納をどう切り出す?
5.返納前に確認したい「車がない生活」
6.自主返納の手続きと相談先
7.まとめ|免許ではなく「これからの暮らし」を考える
1.免許返納は何歳から?年齢だけの決まりはない
「高齢者は何歳になったら免許を返すべきですか?」という質問に、全員に共通する年齢の答えはありません。80歳でも安全に運転できる人もいれば、70代前半でも体調や視力、判断力の変化によって運転に不安が出る人もいます。
そのため、年齢=返納時期とは考えない方がよいと思います。
大切なのは、
- 運転の変化
- 身体機能の変化
- 認知機能
- 生活環境
- 車がなくなった後の移動手段
を総合して考えることです。
本人が「まだ大丈夫」と思っていても、家族の方が先に変化に気づくこともあります。逆に、家族が心配しすぎているだけで、本人は問題なく運転できている場合もあります。だからこそ、まずは感情ではなく、実際の変化を確認することが大切です。
2.70歳・75歳以上で何が変わる?
現在の制度では、免許更新時に年齢によって必要な手続きが変わります。
70歳以上:更新時に、高齢者講習の受講が必要です。
高齢者講習では、講義、運転適性検査、実車指導などが行われます。
75歳以上
高齢者講習に加えて、認知機能検査を受ける必要があります。さらに、75歳以上で一定の違反歴がある場合には、運転技能検査の対象となり、合格しなければ免許を更新できません。
ただし、これらの制度は、「この年齢なら必ず返納しなければならない」という意味ではありません。制度上の確認と、家族としての判断は別です。
3.運転を見直したい10のサイン
年齢よりも分かりやすいのが、以前との違いです。
例えば、
- 車に新しい傷やへこみが増えた
- 駐車に時間がかかるようになった
- 車庫入れで何度も切り返す
- 一時停止や信号の見落としが増えた
- 道を間違えることが増えた
- 夜や雨の日の運転を嫌がるようになった
- 車線変更が怖くなった
- 運転後に強く疲れるようになった
- 家族が同乗して「以前と違う」と感じる
- 本人自身が「運転が少し怖い」と話すようになった
こうした変化が一つあっただけで、すぐ返納する必要はありません。
ただ、以前はなかった変化が複数出てきた
場合には、一度運転について話すきっかけにしてよいと思います。警察庁の安全運転相談窓口でも、高齢運転者本人だけでなく、家族からの相談を受け付けています。
4.親に免許返納をどう切り出す?
家族から、「もう危ないから運転やめて」と言われると、親は受け入れにくいものです。車は単なる移動手段ではありません。買い物に行く。病院へ行く。友人に会う。趣味を続ける。自分で好きな時間に出かける。
車は生活の自由そのものでもあります。だから、免許を返して」から話を始めるより、「最近、運転で困ることない?」「雨の日や夜は運転しにくくなってない?」「もし車に乗れなくなったら、買い物どうしようか」という話から始めた方が自然です。本人の不安や不便を先に聞くことが大切です。
参照:「久しぶりの帰省で気づく親の変化」
5.返納前に確認したい「車がない生活」
免許返納で一番困るのは、返納手続きそのものではありません。
翌日からの生活です。
例えば、
スーパーへどう行くのか。
病院へどう行くのか。
薬局はどうするのか。
銀行や郵便局へどう行くのか。
重い物をどう運ぶのか。
雨の日はどうするのか。
このあたりを先に考えておく必要があります。
地域によっては、
- 路線バス
- コミュニティバス
- 乗合タクシー
- 公共ライドシェア
- タクシー
- 移動販売
- 宅配サービス
- ネットスーパー
- 家族の送迎
などがあります。
免許を返納してから探すのではなく、車に乗れるうちに試しておくことです。
例えば、月に一度だけバスで病院へ行ってみる。
ネットスーパーを一度使ってみる。
タクシー料金を確認してみる。
こうした小さな準備で、
「車がなくても意外と暮らせる」
と分かることもあります。
逆に、
「この場所では、車がなくなると本当に生活が難しい」と分かることもあります。
その場合は、免許返納だけではなく、
今の家で暮らし続けるのか
住み替えを考えるのか
という住まいの問題にもつながります。
参照:「車がないと買い物に行けない?」
6.自主返納の手続きと相談先
運転免許証は、本人の申請によって自主返納できます。
自主返納後は、条件を満たせば運転経歴証明書の交付を受けることができ、本人確認書類として利用できます。運転に不安がある本人や家族は、警察の安全運転相談窓口へ相談できます。
全国共通の電話番号は、#8080です。
高齢運転者本人だけでなく、家族からの相談も受け付けています。自主返納だけでなく、加齢に伴う運転の不安、支援制度、地域包括支援センターの案内などについても相談できます。
返納後のバスやタクシーなどの支援制度は地域によって異なるため、都道府県警察や自治体の最新情報を確認します。
7.まとめ|免許ではなく「これからの暮らし」を考える
高齢者の免許返納に、「何歳が正解」という答えはありません。
大切なのは、年齢。運転の変化。身体や認知機能の変化。本人の気持ち。そして、車がなくなった後の暮らし。を一緒に考えることです。
本人にとって、「免許を返す」という言葉は、自由を失うように感じることがあります。
「運転をやめる話」ではなく、「これからも安心して暮らすための話」として考えることが大切だと思います。
買い物はどうするのか。
通院はどうするのか。
外出はどうするのか。
家族はどこまで支援できるのか。
今の家で暮らし続けられるのか。
こうしたことを、車に乗れなくなってから一気に考えるのではなく、まだ普通に運転できているうちに少しずつ準備する。それも、これからの親の暮らしを考える大切な「住まいのカイゼン」の一つです。
つづく