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こんにちはキャリーライフ中川です。

【お盆特集②】

お盆に考える墓じまいと継承者の問題

お盆になると、久しぶりにお墓参りへ行く方も多いと思います。草を取り、墓石を掃除し、花を供える。毎年続けてきたことでも、ふと、「親が行けなくなったら、誰がお墓を守るのだろう」と考えることがあります。

子どもは県外に住んでいる。高齢になり、山の中のお墓まで行くことが難しくなった。お墓を継ぐ人がいない。こうした事情から、最近では「墓じまい」という言葉を聞く機会も増えました。

厚生労働省の衛生行政報告例では、2024年度に全国で行われた「改葬」は17万6,105件にのぼります。改葬とは、現在のお墓などに納められている遺骨を別のお墓や納骨堂などへ移すことです。

今回は、お盆だからこそ、お墓を「残すか、なくすか」だけではなく、これから誰がどのように守っていくのかを考えます。

目次

1.なぜ今、お墓を守ることが難しくなっているのか
2.「墓じまい」は墓石を撤去して終わりではない
3.お墓のこれからには複数の選択肢がある
4.お墓も「できる人がいるうち」に整理する

以前は、親から子へ、子から孫へとお墓を引き継ぐことが自然に行われてきました。家族の暮らし方は変わっています。実家は広島にあるけれど、子どもは東京や大阪で暮らしている。

兄弟姉妹はいても、全員が県外に住んでいる。子どもがいない。高齢になり、車を運転できなくなった。お墓が山の上にあり、坂道や階段を上ることが難しくなった。「お墓を大切にしたくない」のではなく、大切にしたくても、今までと同じ方法では続けにくい家庭が増えています。

特に親が元気な間は、

「毎年自分で墓参りに行っているから大丈夫」と思いがちです。

一度行けなくなると、

  • 草刈りを誰がするのか
  • 管理料を誰が払うのか
  • お寺や霊園との連絡は誰がするのか
  • 墓地の使用者は誰になっているのか
  • 将来誰が承継するのか

という問題が一度に出てきます。

広島市の市営墓地でも、使用者が亡くなった場合などには使用権の承継手続きが設けられています。墓地によって承継条件や管理規則は異なるため、「家族だからそのまま引き継げる」と決めつけず、管理者へ確認することが必要です。

「墓じまい」というと、墓石を撤去して、更地にすれば終わり。という印象があるかもしれません。お墓の中に遺骨がある場合は、その遺骨をどうするかを先に決める必要があります。

現在のお墓や納骨堂から遺骨を別の墓地や納骨堂へ移すことを、法律上は「改葬」といいます。墓地、埋葬等に関する法律では、改葬には市町村長の許可が必要と定められています。許可を行うのは、原則として現在遺骨が納められている場所の市町村です。

広島市の場合も、

  1. 新しい納骨先を決める
  2. 現在の墓地管理者から必要な証明を受ける
  3. 改葬許可を申請する
  4. 許可後に遺骨を移す

という流れになります。

また、地域によっては個人墓地や共同墓地など、一般的な霊園とは手続きが異なる場合があります。広島県も、墓石を撤去して遺骨を別の墓地などへ移す場合には改葬許可が必要であり、個人墓地そのものを廃止する場合には別途手続きが必要になるケースを案内しています。

墓石の撤去・遺骨の移動・墓地の返還は、それぞれ確認が必要です。

「墓じまいをしよう」と思ったら、最初に石材店へ撤去を頼むのではなく、現在のお墓の管理者と、次の納骨先を確認するところから始める方が整理しやすくなります。

お墓を守ることが難しくなったからといって、すぐに墓じまいをする必要はありません。

家族の状況によって、いくつかの方法があります。

▪今のお墓をそのまま守る

家族が通える距離にあり、今後も管理する人がいるなら、そのまま維持する方法があります。

ただし、「親の次は誰が管理するのか」だけは確認しておきたいところです。

▪子どもの近くへお墓を移す

実家近くのお墓へ年に一度しか行けないなら、子どもが暮らしている地域の墓地や納骨堂へ遺骨を移す方法もあります。遠いお墓を無理に維持するより、家族がお参りしやすい場所へ移すという考え方です。この場合は「改葬」にあたるため、所定の手続きが必要です。

▪合葬墓などを利用する

一つのお墓を家族が代々管理するのではなく、多くの人の遺骨を共同で納め、管理者が管理する合葬墓という方法もあります。

例えば広島市では、高天原墓園に市が永続的に管理する合葬墓を設けており、2026年度も使用者募集が行われています。現在の使用料は焼骨1体につき5万円で、管理料は使用料に含まれています。利用には申込条件があります。

寺院や民間霊園にも、納骨堂や承継者を必要としないタイプの墓などがあります。「永代供養」「合葬」「納骨堂」などは、施設によって管理方法、期間、費用、遺骨を個別に安置する期間などが違います。

名前だけで決めず、誰が、どのような方法で、いつまで管理するのか

を確認することが大切です。

▪すぐには決めない

親が元気で、自分でお墓参りができているなら、今すぐ形を変える必要はない家庭もあります。「将来どうするかだけ決めておく」ことはできます。

今のお墓を親の代までは維持する。その後は合葬墓へ移す。子どもの近くへ移す。兄弟で費用を分担する。先に方向性が分かっていれば、親が亡くなった後に初めて兄弟で話し合うより、判断しやすくなります。

墓じまいという言葉には、少し寂しい印象があります。「先祖代々のお墓を自分の代でなくしてよいのだろうか」と迷う人もいると思います。お墓を移すことと、先祖を大切にしなくなることは同じではありません。遠くにあるため誰も行けず、草木に覆われてしまうお墓を残すのか。形は変わっても、家族がお参りしやすい場所へ移すのか。どちらが正しいというものではありません。家庭によって答えは違います。

だからこそ、考えるときには、

  • 今の墓地は誰の名義・使用権になっているか
  • 管理料はいくらか
  • 誰が普段管理しているか
  • 次に管理する人はいるか
  • 子どもはどこに住んでいるか
  • 親は今のお墓をどうしたいのか
  • 移す場合、どこなら家族がお参りしやすいか
  •  

墓じまいをすることから始めるのではありません。

今のお墓を、これからも家族が無理なく守れるのかを確認することから始める。それで十分です。

お盆には、多くの人がお墓へ足を運びます。きれいに掃除されたお墓を見ると、これからも同じように続いていくように感じます。そのお墓を守っている親も年齢を重ねます。

子どもたちの暮らす場所も変わります。

今のお墓を残す。

近くへ移す。

合葬墓などへ移す。

まだ何も変えない。

選択肢はいくつもあります。

「このお墓を、10年後は誰が守っているだろう」と一度考えてみることです。お盆は先祖に手を合わせる時期です。今年は、今あるお墓だけではなく、そのお墓を次の世代が無理なく受け継げる形についても少し考えてみてはいかがでしょうか。

お盆が終わると、また誰もいない家へ 実家を空き家にしないための管理

つづく