こんにちはキャリーライフ中川です。
お盆やお彼岸に実家へ帰り、お墓参りをしたとき、「このお墓は、将来誰が守っていくのだろう」と考えたことはないでしょうか。
以前は、実家を継ぐ人がお墓も守るという家庭が多かったと思います。現在は、子どもが県外で暮らしている、兄弟姉妹全員が実家を離れている、子どもがいないなど、家族の形も暮らす場所も変わっています。
今は親がお墓を管理できていても、10年後、20年後は分かりません。
今回は、「墓守り」とは何をすることなのか、誰が引き継ぐのか、そして守る人がいなくなりそうな場合に家族で何を考えておけばよいのかを整理します。

目次
1.「墓守り」とは何をする人?
2.お墓は誰が引き継ぐのか
3.墓守りをする人がいないと何が困る?
4.墓じまいを急ぐ前に家族で確認したいこと
5.まとめ|お墓のことも元気なうちに話しておく
1.「墓守り」とは何をする人?
「墓守り」という言葉には、法律上の決まった仕事内容があるわけではありません。
一般的には、お墓参りをする。墓石や周囲を掃除する。草を取る。墓地の管理料を支払う。納骨や法要の際に寺院や墓地管理者と連絡する。など、お墓を維持し、先祖を供養していく役割を指します。
問題は、これらの役割が長く続くことです。
親が元気な間は何も問題がなくても、高齢になって墓地まで行けなくなれば、子ども世代が代わって管理することになります。しかし子どもが遠方に住んでいれば、年に何度もお墓へ行くことが難しい場合もあります。「誰かが何とかするだろう」と思っているうちに、その「誰か」が決まらないまま親が高齢になるケースも考えられます。
2.お墓は誰が引き継ぐのか
ここは、通常の相続とは少し違います。民法では、系譜、祭具、墳墓などは一般の相続財産とは別に扱われ、祖先の祭祀を主宰する人が承継するという考え方になっています。裁判例でも、民法897条に基づく祭祀財産の承継が確認されています。
つまり、「兄弟が3人いるから、お墓も3分の1ずつ相続する」と単純に考えるものではありません。
一方、実際の墓地の使用については、寺院、公営墓地、民営霊園などによって使用規則や承継手続きが異なります。
そのため、現在の墓地使用者は誰なのか。地の管理者は誰なのか。誰が管理料を支払っているのか。承継する場合にはどんな手続きが必要なのか。を一度確認しておくことが大切です。
「墓石がある場所は知っているけれど、契約内容は誰も知らない」という状態は、できれば親が元気なうちに解消しておきたいところです。
3.墓守りをする人がいないと何が困る?
墓守りをする人がいなくなったからといって、すぐにお墓がなくなるわけではありません。
ただ、長期間誰も管理しなくなると、墓地の管理料が支払われない。墓石や周囲の手入れができない。寺院や墓地管理者からの連絡先が分からない。次に誰を納骨するのか家族で決まっていない。いった問題が出てきます。
さらに次の世代になると、「そもそも、どこのお墓なのか分からない」ということまで起こり得ます。これは実家にもよく似ています。実家も、お墓も、親が元気な間は当たり前に存在しています。ところが、管理する人がいなくなった瞬間から、「誰が、これからどうするのか」という問題になります。
だからこそ、お墓の問題も「誰も守れなくなってから」考えるのではなく、その前に方向性を話しておくことが重要です。
4.墓じまいを急ぐ前に家族で確認したいこと
お墓を守る人がいないと聞くと、「それなら墓じまいをした方がいい」となりがちです。
しかし、最初から墓じまいを結論にする必要はありません。
まず確認したいのは、家族は、そのお墓をどうしたいと思っているのか。ということです。
親は残したいと思っているのか。子どもは将来お墓参りを続けたいのか。遠方でも管理できる方法はないか。親族の中に引き継ぎたい人はいないか。永代供養や納骨堂など別の方法を考えるのか。こうしたことを整理してから、今後を決めても遅くありません。
もし現在のお墓から遺骨を別のお墓や納骨堂などへ移す「改葬」を行う場合には、現在遺骨がある場所の市町村長から改葬許可を受ける必要があります。厚生労働省の規則では、改葬先や改葬理由などを記載した申請や、墓地管理者による証明などが必要とされています。
そのため墓じまいは、「墓石を撤去すれば終わり」ではありません。
墓地管理者への確認。家族・親族との話し合い。遺骨をどこへ移すのか。改葬の手続き。墓石の撤去。など、いくつものことを順番に進めます。
そして何より、お墓は家族の想いが強く残る場所です。合理性だけで決めると、「本当にこれでよかったのだろうか」という気持ちが後から残る場合があります。
だからこそ、元気なうちに本人の考えを聞いておくことには大きな意味があります。
5.まとめ|お墓のことも元気なうちに話しておく
お墓について考えるとき、大切なのは、「誰が墓守りをするのか」だけではありません。現在誰が管理しているのか。次に誰が引き継ぐのか。家族は残したいと思っているのか。
遠方からでも管理できるのか。将来、墓じまいを考える可能性があるのか。こうしたことを少しずつ確認しておくことです。
お墓の問題は、実家の問題ともよく似ています。親が元気で、今まで通り生活できている間は、問題には見えません。しかし、親が高齢になったり亡くなったりすると、
実家。
家財。
仏壇。
お墓。
相続。
さまざまなことが一度に家族の前へ出てきます。だからこそ、すべてを「そのとき」に考えないことが大切です。今すぐ墓じまいを決める必要はありません。
まず、「うちのお墓、将来どうしたい?」と家族で話してみる。その一言から始めるだけでも十分です。お墓を残すことも、墓じまいをすることも、どちらが正解というものではありません。
大切なのは、家族の想いを知ったうえで、次の世代へどうつないでいくのかを考えておくことではないでしょうか。
つづく