こんにちはキャリーライフ中川です。
食料品アクセス困難人口904万人から考える親の暮らし
親が車に乗れなくなると、最初に困りやすいのが買い物です。
スーパーへ行く。
薬局へ行く。
米や飲料水を買う。
日用品を買う。
車がある時は、当たり前にできていたことです。
免許返納や体力低下で車に乗れなくなると、
買い物は「用事」ではなく「生活課題」になります。
農林水産省の推計では、
2020年の食料品アクセス困難人口は全国で904万人です。
65歳以上人口の25.6%、75歳以上では566万人・31.0%
店舗まで500m以上あり、
65歳以上で自動車を利用できない人を対象にした推計です。

【目次】
1- 買い物に困る高齢者は904万人
2- 車がないと「距離」より「荷物」が負担になる
3- 買い物に行けないと外出も減る
4- 家族送迎だけでは続きにくい
5- 返納前に買い物手段を試しておく
1- 買い物に困る高齢者は904万人
買い物に困る高齢者は、珍しい話ではありません。
2020年の食料品アクセス困難人口は904万人。
65歳以上では4人に1人程度。
75歳以上では約3人に1人です。
数字で見ると、買い物の問題はかなり身近です。
特に地方では、車がある前提で生活が成り立っている地域があります。
スーパーまで車で10分。
薬局まで車で15分。
病院帰りに買い物。
米や飲料水はまとめ買い。
車に乗れなくなると、同じ距離でも負担が変わります。
事例イメージです。
80代の母は、週2回、自分でスーパーへ行っていました。
免許返納後、スーパーまでの距離は変わっていません。
変わったのは、移動手段です。
歩くには遠い。
バスは本数が少ない。
タクシーは毎回だと気が引ける。
娘に頼むのも遠慮がある。
買い物先が同じでも、車がなくなるだけで暮らしの難易度は上がります。
2- 車がないと「距離」より「荷物」が負担になる
買い物は、店まで行くだけではありません。
買った物を持って帰る必要があります。
米。
飲料水。
牛乳。
洗剤。
トイレットペーパー。
灯油。
高齢になると、重い物が負担になります。
500m、700mでも、荷物を持って歩くと距離の感じ方は変わります。
▪車がある場合
週1回まとめ買いできる
重い物を運べる
雨の日でも行きやすい
▪車がない場合
少量ずつしか買えない
荷物を持って歩く必要がある
天気や体調に左右される
地図上の距離だけでは判断できません。
坂道があるか。
歩道があるか。
荷物を持てるか。
夏や冬でも行けるか。
買い物は、体力と環境の問題です。
3- 買い物に行けないと外出も減る
買い物は、食料品を買うだけではありません。
外に出る機会です。
人と話す機会です。
自分で商品を選ぶ時間です。
農林水産省は、飲食料品店の減少や大型商業施設の郊外化などにより、
過疎地域だけでなく都市部でも、高齢者を中心に食料品の購入に
不便や苦労を感じる人が増えていると説明しています。
事例イメージです。
母は、週2回のスーパー通いが楽しみでした。
近所の人に会う。
季節の果物を見る。
自分で夕食を選ぶ。
免許返納後、娘が週1回まとめ買いするようになりました。
食料は足りています。
外出の回数は減りました。
「何が食べたい?」と聞いても、
母は「何でもいい」と言うようになりました。
買い物支援は、物を届けるだけでは足りないことがあります。
外出や会話の機会も、暮らしの一部です。
4- 家族送迎だけでは続きにくい
親が車に乗れなくなると、家族が送迎することがあります。
最初は週1回の買い物。
その後、通院、薬局、銀行、役所も重なります。
家族の送迎は大切です。
毎回続けるには負担があります。
仕事がある。
子育てがある。
親が遠慮して頼まなくなる。
兄弟姉妹で負担が偏る。
地域交通も厳しい状況があります。
国土交通省の資料では、令和5年度の路線バス事業者の73.7%、
地域鉄道事業者の83.3%が赤字とされています。
交通手段を「バスがあるから大丈夫」とは言い切れない地域もあります。
事例イメージです。
娘が母の買い物を毎週手伝っていました。
最初は問題ありませんでした。
通院が増え、薬局にも行くようになりました。
娘の休みは、母の送迎で埋まります。
母は「悪いから買い物は少なくていい」と言い始めます。
家族の善意だけに頼ると、親も子も無理をしやすくなります。
5- 返納前に買い物手段を試しておく
免許返納を考える前に、買い物の代替手段を試すことが大切です。
確認することは多くありません。
いつ、どこで買っているか。
重い物は何か。
スーパーまで歩けるか。
バスの時間は合うか。
タクシー代はいくらか。
宅配や生協は使えるか。
移動販売はあるか。
家族は月に何回なら手伝えるか。
いきなり車をやめると、不安が大きくなります。
先に買い物方法を作る方が現実的です。
親の運転が心配になった時は、
返納を迫る前に、買い物の方法を一緒に確認する。
車をやめる話ではなく、
暮らしを続ける方法を考えることが大切です。
つづく