こんにちはキャリーライフ中川です。
使い道を決める前に見るべき5つの判断軸
売った方がいいのか。
貸せるのか。
解体した方がいいのか。
しばらく管理して残すのか。
誰かが使う可能性はあるのか。
どれが正解かは、家ごとに違います。
空き家は、気持ちだけでも決められません。
築年数。
建物の傷み。
場所。
名義。
荷物。
修繕費。
家族の合意。
地域での需要。
ここを見ないまま「売る」「貸す」「残す」を決めると、
途中で止まりやすくなります。
全国の空き家数は、900万戸(13.8%)
賃貸・売却用や二次的住宅を除く空き家も385万戸あります。
使い道が見えにくい空き家が増えていることが分かります。

【目次】
1- 売る・貸す・解体の前に見るべきこと
2- 売却に向く空き家、止まりやすい空き家
3- 賃貸に向く空き家、修繕が必要な空き家
4- 解体を考えた方がよい空き家
5- 迷った時は「使える状態か」で考える
1- 売る・貸す・解体の前に見るべきこと
空き家の選択肢は、大きく分けると4つです。
売る。
貸す。
解体する。
管理しながら残す。
最初から一つに決める必要はありません。
先に確認する順番があります。
名義は誰か。
相続登記は済んでいるか。
家の中に荷物は残っているか。
雨漏りや傾きはないか。
水道・電気・ガスは使えるか。
道路に接しているか。
境界は分かるか。
近隣に迷惑をかけていないか。
家族で方向性を話せるか。
この確認を飛ばすと、売却も賃貸も解体も止まりやすくなります。
事例イメージです。
父が亡くなり、実家が空き家になりました。
家族は「売ればいい」と考えていました。
不動産会社に相談すると、すぐには売れませんでした。
登記名義が父のまま。
家の中に荷物が多い。
境界がはっきりしない。
雨漏りもある。
兄弟姉妹の意見もそろっていない。
売却の前に、整理することが多く残っていました。
空き家の判断は、売るか貸すかを考える前に、
動かせる状態かを見ることから始まります。
2- 売却に向く空き家、止まりやすい空き家
売却に向く空き家には、分かりやすい特徴があります。
名義が整理されている。
相続人の合意がある。
荷物が少ない。
建物の状態を説明できる。
境界や道路の確認がしやすい。
買いたい人が想定できる場所にある。
売却は、家を手放すだけではありません。
買う人が安心して判断できる状態にすることです。
反対に、売却が止まりやすい空き家もあります。
名義が古いまま。
相続人が複数いて話がまとまらない。
家の中に大量の荷物がある。
雨漏りや傾きがある。
接道や境界に不安がある。
再建築や土地利用に制約がある。
売主側が価格の現実を受け止めにくい。
売却前に整理されている空き家
相談から販売準備に進みやすい
買主へ説明しやすい
価格判断もしやすい
整理されていない空き家
名義確認から始まる
荷物撤去が必要
境界や建物状態の確認が必要
販売開始まで時間がかかる
事例イメージです。
築45年の実家を売却したい相談がありました。
家族は「古いけれど土地として売れるだろう」と考えていました。
確認すると、家の中には荷物が残っています。
境界杭も分かりません。
隣地との塀も古く、どちらの所有か分かりません。
この場合、買主を探す前に、売るための整理が必要です。
空き家を売る時に大切なのは、高く売れるかだけではありません。
買う人が不安なく判断できる状態に近づけることです。
3- 賃貸に向く空き家、修繕が必要な空き家
空き家を貸す選択肢もあります。
売りたくない。
将来使う可能性がある。
家を残しながら収入を得たい。
地域で使ってもらいたい。
この場合、賃貸や活用を考えることがあります。
国土交通省のガイドラインでは、
空き家バンクを、地方公共団体が空き家・空き地等の
情報を活用希望者に紹介する仕組みとして説明しています。
自治体を通じた空き家活用の一つの入口です。
賃貸に向く空き家にも条件があります。
雨漏りがない。
水回りが使える。
電気・水道・ガスの確認ができる。
耐震や安全面に大きな不安がない。
駐車場や生活環境に一定の需要がある。
貸した後の管理者がいる。
貸すということは、使ってもらう責任が生まれることです。
「古いけれど住めるだろう」だけでは足りません。
入居者が安全に暮らせるか。
故障時に誰が対応するか。
修繕費を誰が出すか。
退去時にどうするか。
ここまで考える必要があります。
事例イメージです。
空き家になった実家を、家族は「貸せばいい」と考えました。
家の中は片付いています。
外観も大きく傷んでいません。
確認すると、給湯器が古く、浴室も劣化しています。
トイレは和式です。
雨漏りはありませんが、電気配線や水回りの修繕が必要です。
貸すことはできます。
貸す前に、修繕費と家賃のバランスを見る必要があります。
賃貸は、空き家活用の選択肢です。
修繕費をかけても成り立つかを見ないと、持ち出しだけが増えることがあります。
4- 解体を考えた方がよい空き家
解体は、最後の手段のように感じるかもしれません。
実際には、早めに考えた方がよい空き家もあります。
建物の傷みが大きい。
雨漏りが進んでいる。
傾きや腐食がある。
近隣に危険を及ぼす可能性がある。
修繕しても使う見込みがない。
売却時に建物がかえって障害になる。
管理を続ける人がいない。
令和5年の空家法改正では、空き家の除却、活用、
適切な管理を推進する措置が強化されています。
特定空家になる前の段階である管理不全空家も、
指導・勧告の対象になりました。
解体は、建物をなくすだけではありません。
土地として次に使いやすくする選択でもあります。
ただし、解体すればすべて解決するわけでもありません。
解体費用がかかる。
更地後の固定資産税を確認する必要がある。
土地が売れるか分からない。
草刈りなど更地管理が必要になる。
思い出の家を壊す心理的負担がある。
事例イメージです。
母が施設に入り、実家は空き家になりました。
建物は築55年。
雨漏りがあり、床も一部傷んでいます。
家族は「いつか誰かが使うかも」と残していました。
5年後、修繕して貸すには費用が大きくなりすぎました。
売却相談でも、建物付きでは買い手がつきにくいと言われました。
結果的に、解体して土地として売る話になります。
早く解体すべきだったという単純な話ではありません。
早い段階で、修繕して使うのか、
解体して土地として考えるのかを比較しておくべきだったという話です。
5- 迷った時は「使える状態か」で考える
空き家の判断で迷う時は、気持ちと現実を分けて見ます。
残したい気持ちがあるか。
誰かが使う予定はあるか。
管理できる人はいるか。
修繕すれば使えるか。
修繕費を回収できる見込みがあるか。
売れる可能性はあるか。
解体後の土地に需要はあるか。
判断の目安です。
売却を考えやすい空き家
家族が使う予定がない
名義と相続人の合意が整う
建物または土地に需要がある
荷物整理ができる
賃貸を考えやすい空き家
建物の安全性がある
水回りなどを修繕すれば住める
地域に借りたい人の需要がある
貸した後の管理体制がある
解体を考えやすい空き家
建物の傷みが大きい
修繕費が高すぎる
使う予定がない
管理不全のリスクがある
土地として考えた方が現実的
管理しながら残す空き家
家族で使う予定がある
期間を決めて保有する
見回りや草刈りの担当が決まっている
固定資産税や保険の負担者が決まっている
事例イメージです。
兄弟3人で空き家になった実家の話し合いをしました。
長男は売却希望。
長女は残したい。
次男は遠方で管理できない。
最初は感情の話で止まりました。
そこで、4つに分けて確認しました。
使う人がいるか。
修繕すれば貸せるか。
売れる土地か。
管理を何年続けられるか。
確認すると、誰も住む予定はありません。
賃貸には水回り修繕が必要です。
管理担当も決まりません。
売却査定と解体見積を取り、家族で数字を見て判断することになりました。
空き家の話し合いは、想いを消すことではありません。
想いだけでは決められない部分を、数字と状態で見えるようにすることです。
空き家は、迷っている間にも傷みます。
判断を急ぐ必要はありません。
判断できる材料を早めにそろえることが大切です。
つづく