こんにちはキャリーライフ中川です。
買い物・病院・地域とのつながりで考える免許返納
親が高齢になってくると、車の運転が気になることがあります。
最近、運転が少し不安。
駐車が前より苦手になった。
夜の運転を避けるようになった。
家族としては、そろそろ免許返納も考えてほしい。
そう感じる場面があります。
免許返納は、車を手放すだけの話ではありません。
暮らしの移動手段が変わる話です。
買い物に行く。
病院に通う。
金融機関へ行く。
役所へ行く。
友人に会う。
墓参りに行く。
地域行事に参加する。
地方では、車が生活インフラになっている地域も多くあります。
令和6年の運転免許の自主返納件数は全国で427,914件です。
65歳以上は408,929件
75歳以上は264,916件
80歳以上は177,771件
免許返納は、特別な家庭だけの話ではありません。
多くの高齢者と家族が向き合っているテーマです。

【目次】
1- 免許返納は増えている
2- 車は地方の生活インフラになっている
3- 返納後に困りやすいのは買い物と病院
4- バスやタクシーだけに頼れない地域もある
5- 返納前に確認したい暮らしの移動手段
1- 免許返納は増えている
高齢者の免許返納は、身近な話になっています。
令和6年の自主返納件数は427,914件。
65歳以上は408,929件。
75歳以上は264,916件。
80歳以上は177,771件。
数字で見ると、多くの人が運転を続けるか、
返納するかを考えていることが分かります。
免許返納を考えるきっかけはいろいろあります。
家族から心配された。
事故やヒヤリとする場面があった。
視力や反応に不安が出てきた。
通院先で運転を控えるよう言われた。
更新時の検査が気になった。
本人にとって、車は自由そのものです。
家族に言われて簡単に手放せるものではありません。
「危ないから返納して」と言われると、
本人は生活を否定されたように感じることがあります。
大切なのは、返納を迫ることではありません。
車に乗れなくなった後、どう暮らすかを一緒に考えることです。
事例イメージです。
80代の父が、最近スーパーの駐車場で車をこすりました。
本人は「少し当たっただけ」と言います。
子どもは心配です。
「もう運転をやめた方がいい」と言いたくなります。
父は反発します。
「車がないと買い物にも病院にも行けない」
この言葉には、本人の現実があります。
免許返納の話は、安全だけで進めると止まりやすくなります。
安全と生活の両方を見る必要があります。
2- 車は地方の生活インフラになっている
都市部では、車がなくても暮らしやすい地域があります。
電車がある。
バスがある。
タクシーがつかまりやすい。
スーパーや病院が近い。
歩いて行ける場所が多い。
地方では違うことがあります。
バスの本数が少ない。
最寄りのバス停まで遠い。
病院まで車で20分以上かかる。
スーパーが近くにない。
金融機関や役所も車が前提になる。
車は単なる移動手段ではありません。
生活を成り立たせる道具です。
▪車がある暮らし
買い物に自分で行ける
病院の時間を自分で決めやすい
荷物を運べる
友人や地域とのつながりを保ちやすい
家族に頼る回数が少ない
▪車がない暮らし
買い物の回数が減る
通院に送迎や予約が必要になる
重い物を買いにくい
外出機会が減る
家族や地域サービスへの依存が増える
免許返納は、運転をやめるだけではありません。
生活の自由度が変わります。
本人が返納をためらう理由は、運転へのこだわりだけではありません。
暮らしが狭くなる不安があります。
3- 返納後に困りやすいのは買い物と病院
車に乗れなくなった時、まず困りやすいのが買い物と病院です。
食料品。
日用品。
薬。
灯油。
米。
飲料水。
通院。
検査。
リハビリ。
歯科や眼科。
暮らしに欠かせない移動です。
家族が送迎できる場合もあります。
毎回となると負担になります。
平日の通院。
急な体調不良。
買い物の付き添い。
薬の受け取り。
雨の日や雪の日の外出。
子ども世代も仕事や家庭があります。
「必要な時は送るよ」と言っていても、
回数が増えると続きにくくなります。
事例イメージです。
母が免許返納をしました。
最初は、週1回の買い物だけを娘が送迎していました。
その後、通院が増えます。
内科、整形外科、歯科、薬局。
月に数回の送迎が必要になります。
母は「悪いから頼みにくい」と言います。
娘は「できるだけ助けたい」と思います。
どちらも無理をしています。
返納後の暮らしで大切なのは、家族の善意だけに頼らないことです。
買い物の方法。
通院の方法。
薬の受け取り方。
タクシーや乗合交通の使い方。
近所で頼れる人。
配達サービス。
複数の手段を組み合わせる必要があります。
4- バスやタクシーだけに頼れない地域もある
免許返納後の移動手段として、バスやタクシーを考える人は多いです。
それ自体は大切な選択肢です。
地域によっては、十分に使えない場合があります。
国土交通省の資料では、令和5年度の路線バス事業者の73.7%、
地域鉄道事業者の83.3%が赤字とされています。
路線や系統の廃止、減便の事例も示されています。
バスの本数が減る。
最寄りの路線がなくなる。
運転手不足で減便になる。
タクシーがすぐ来ない。
地域の交通インフラも、今まで通りとは限りません。
国土交通省は「交通空白」の解消に向けて、
タクシー、乗合タクシー、日本版ライドシェア、
公共ライドシェアなどを地域住民が利用できる状態を目指す取組を進めています。
地域の足をどう確保するかは、国全体の課題になっています。
事例イメージです。
父が免許返納を考えています。
近くにバス停はあります。
調べると、午前中に2本、午後に2本だけです。
病院の予約時間に合いません。
タクシーを呼ぼうとしても、朝は混み合います。
買い物帰りの荷物もあります。
「返納すればバスに乗ればいい」と簡単には言えません。
地域交通の現実を見て、返納後の暮らしを組み立てる必要があります。
5- 返納前に確認したい暮らしの移動手段
免許返納を考える時、最初に確認したいのは運転技術だけではありません。
返納後の暮らしです。
買い物はどうするか。
病院にはどう通うか。
薬はどう受け取るか。
金融機関や役所はどう行くか。
家族はどこまで送迎できるか。
タクシーは使えるか。
地域の乗合交通はあるか。
宅配や移動販売は使えるか。
近所に頼れる人はいるか。
今の家で暮らし続けやすいか。
ここを確認します。
返納前の確認表です。
買い物
スーパーまでの距離
宅配の有無
移動販売の有無
家族の送迎頻度
病院
通院先までの距離
通院回数
タクシー料金
予約時間に合う交通手段
日常生活
薬局
金融機関
役所
美容院
地域行事
友人との交流
住まい
坂道が多いか
バス停まで歩けるか
冬場や雨の日に移動できるか
玄関から道路まで安全か
家族が来やすい場所か
免許返納は、本人だけの問題ではありません。
家族の送迎負担にも関わります。
今の家で暮らし続けられるかにも関わります。
車に乗れなくなった時、暮らしが成り立つか。
ここを見ることが大切です。
親の運転が心配になった時は、返納を迫る前に、
暮らしの移動手段を一緒に確認する。
安全と生活の両方を見ることが、免許返納を考える第一歩になります。
つづく