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こんにちはキャリーライフ中川です。

空き家になったときの注意点

親が施設へ入居した。長期入院になった。親が亡くなり、実家を相続した。こうしたことをきっかけに、それまで普通に人が暮らしていた家が、突然誰も住まない家になることがあります。

家具もある。電気も契約したまま。郵便物も届く。火災保険の保険料も引き落とされている。

「まだ普通の家と同じだろう」と思ってしまうかもしれません。確認しておきたいのが火災保険です。人が住んでいた住宅が空き家になった場合、それまでの住宅向け火災保険を何も確認せず、そのままにしてよいとは限りません。

空き家は、誰も住んでいないから災害に遭わないわけではありません。火災。台風。大雨。漏水。屋根や外壁の破損。そして周囲への影響。

今回は、実家が空き家になったときに確認したい火災保険と家の管理について整理します。

目次

1.実家はある日突然「空き家」になる
2.住宅用の火災保険をそのまま使えるとは限らない
3.空き家では「保険」と「管理」を一緒に考える
4.売る・貸す・残すが決まっていなくても確認しておく

空き家というと、何年も放置されている古い家。草木が伸びている家。窓や外壁が壊れた家。を想像するかもしれません。空き家になるきっかけはもっと身近です。

国土交通省も、空き家が発生する代表的なきっかけとして、「実家を相続した」「一人暮らしの親が施設に入居した」といったケースを挙げています。使用目的のない空き家は、2003年の212万戸から2023年には386万戸へ増えています。

例えば、一人暮らしだった80歳の母親が施設へ入居したとします。実家には、ベッド。テレビ。冷蔵庫。仏壇。衣類。家族写真。さまざまな物が残っています。子どもも月に一度くらい様子を見に行く。まだ売却するかどうかも決まっていない。こうした状態は珍しくありません。

問題は、「まだ家財が残っているから、今までと同じ住宅だろう」と、保険について何も確認しないまま時間が過ぎてしまうことです。

長期入院なのか。施設へ完全に転居したのか。将来また住む予定があるのか。誰かが定期的に居住するのか。売却までの一時的な空室なのか。建物の使用状況によって、保険会社での取扱いが変わる場合があります。

「何か月住まなければ空き家」という一律の基準だけで判断するのではなく、契約している保険会社や代理店へ現在の状況を伝えることが大切です。

住宅向けの火災保険は、基本的に「住宅」として使用される建物を前提に設計されています。日本損害保険協会も、火災保険について建物の用途によって「住宅物件」「一般物件」などに分類され、それぞれに対応した商品があると説明しています。ここが重要です。

人が住まなくなれば、それまでの契約条件と現在の建物の使用実態が合わなくなる可能性があります。

例えば東京海上日動は、住宅向け商品の「トータルアシスト住まいの保険」について、空家は原則として引受対象外と案内しています。一方、季節的に住居として利用する別荘などについては、一定の条件で対象となる場合があります。

すべての保険会社、すべての商品が同じ扱いという意味ではありません。「空き家になったら火災保険は全部使えない」でもなく、「保険料を払い続けているから大丈夫」でもありません。親が施設に入ったら、まず保険会社へ確認する

例えば、「母が施設へ入居して、現在は誰も住んでいません」「家具や家財は残っています」「月に1回、家族が管理しています」「将来的に売却する可能性があります」という現在の状況をそのまま伝えます。

そして、

  • 現在の契約を継続できるか
  • 契約内容の変更が必要か
  • 空き家として別の商品が必要か
  • 建物・家財はどこまで補償されるか
  • 風災・水災はどうなるか

建物の用途など契約時の条件が変わった場合、保険会社への連絡が必要になるケースがあります。損保ジャパンも、建物の構造・用途等に変更が生じた場合には連絡するよう案内しており、手続きをしない場合には必要な保険金が支払われないことがあるとしています。自己判断でそのままにしないことが重要です。

相続した場合は名義も確認する

親が亡くなって実家を相続した場合には、もう一つ確認することがあります。

建物の所有者が変わります。しかし、「不動産を相続したから、親が加入していた火災保険も自動的に自分の契約になった」とは考えない方が安全です。契約者。被保険者。建物所有者。保険料の支払者。それぞれがどうなっているのかを確認し、必要な名義変更などについて保険会社や代理店へ相談します。保険会社でも、契約者変更には所定の手続きが必要と案内しています。相続登記だけでなく、保険も「実家を引き継ぐ手続き」の一つです。

誰も住んでいない家なら、「人がいないから火事も起きにくいのでは?」と思うかもしれません。しかし、空き家には空き家特有の問題があります。

例えば、台風で瓦がずれた。雨どいが壊れた。窓ガラスが割れた。雨漏りが始まった。

給排水設備に不具合が起きた。外壁の一部が落ちた。こうしたことが起きても、日常的に住んでいる人がいなければ発見が遅れます。

国土交通省も、長期間使用しない住宅は、不具合の発見が遅れることで傷みが早く進む傾向があるとして、外部・内部の点検、通気・換気、通水、清掃などを定期的に行うことを勧めています。さらに管理が不十分になると、倒壊。屋根・外壁材の落下。害虫。不法侵入。樹木の越境。など、家そのものだけではなく周囲にも影響が出てきます。

「保険に入っていれば、空き家をそのままにしてよい」という話ではありません。

むしろ、保険と管理はセットと考えた方がよいと思います。

台風の後こそ確認する

特にこれからの台風シーズンでは、自宅は見ても、離れた実家までは確認していない。

ということが起こります。

台風や大雨の後には、

  • 屋根材に異常がないか
  • 雨どいが外れていないか
  • 窓が割れていないか
  • 雨漏りしていないか
  • 庭木が倒れていないか
  • 外壁に異常がないか
  • 水が入った形跡がないか

などを、安全を確認したうえで見ます。

遠方で家族が確認できないなら、地域の管理サービスなどを利用する方法もあります。

国土交通省も、自分で管理することが難しい場合には、空き家管理業者や修繕業者の利用を検討するよう案内しています。

保険証券だけを確認して終わりではなく、「この家を誰が見に行くのか」まで決めておくことが大切です。

実家が空き家になったとき、「売却するのか」「誰かが住むのか」「貸すのか」「しばらく残すのか」すぐには決められない家庭も多いと思います。

特に親が施設へ入ったばかりなら、「もしかすると家へ戻れるかもしれない」という気持ちもあります。親が亡くなった後なら、「まだ家の中を片付ける気持ちになれない」ということもあります。無理にすぐ売却を決める必要はありません。ただし、何も決まっていないことと、何もしなくてよいことは別です。

結論を出すまでの期間にも、固定資産税。電気や水道。庭や建物の管理。郵便物。防犯。そして火災保険。は続いています。

実家が空き家になったら最低限、次のことだけでも整理しておきます。

確認すること内容
火災保険空き家になったことを保険会社へ伝えたか
補償内容火災・風災・水災などは現在どうなっているか
名義相続等で契約者・所有者に変更はないか
管理者誰が定期的に家を確認するか
緊急連絡台風・大雨・近隣から連絡があった場合、誰が動くか
今後売却・賃貸・居住・維持をいつ頃までに考えるか

大切なのは、すぐに家の処分方法を決めることではありません。今どういう状態にある家なのかを、家族が把握しておくことです。

親が施設へ入った。親が亡くなった。実家を相続した。こうした出来事の後には、介護や相続、片付けなど、家族が考えなければならないことが一気に増えます。

その中で、火災保険まで気が回らないこともあるでしょう。昨日まで親が暮らしていた家と、

今日から誰も住まなくなった家では、建物は同じでも「家の使われ方」は変わっています。

まず保険会社や代理店へ、「現在、誰も住んでいない」と伝える。今の火災保険を継続できるのか確認する。必要なら契約を見直す。そして定期的に家を管理する。ここまでは、売却するか残すかを決めていなくてもできます。

空き家対策というと、「早く売る」「早く片付ける」という話になりがちです。実際には、気持ちや家族の事情が追いつかず、結論を出すまでに時間が必要な家庭もあります。

実家が空き家になったら、「これからどうする?」と考える前に、「今、この家はどういう状態になっている?」を確認する。火災保険も、その確認項目の一つです。台風や突発的な豪雨が続く時代。自分が今住んでいる家だけでなく、誰も住まなくなった実家についても、一度保険証券を確認してみてはいかがでしょうか。

つづく。