こんにちはキャリーライフ中川です。
大雨や洪水のニュースで、「床下浸水」「床上浸水」という言葉をよく聞きます。
床上まで水が入れば大きな被害だと分かりますが、「床下なら、それほど家には影響しないのでは?」と思う人もいるかもしれません。床下に泥水が入れば、汚泥の除去や乾燥が必要になります。床上まで達すると、床材や壁、断熱材、住宅設備、家財などへ被害が広がる可能性があります。
さらに確認しておきたいのが火災保険です。損害保険料率算出機構によると、2024年度の火災保険における水災補償の付帯率は、全国で61.8%でした。逆に見ると、約38%の契約には水災補償が付いていません。広島県でも付帯率は67.6%で、約3分の1は水災補償なしという計算になります。「火災保険に入っているから、水害も大丈夫」とは限らないのです。
今回は、洪水や浸水が家にどんな影響を与えるのか、被害を受けた後に何をするのか、そして保険で確認しておきたいことを整理します。

目次
1.床下浸水でも家への影響はある
2.床上まで水が来ると何が起きる?
3.水害の前後でできる対策
4.火災保険に入っていても「水災」は別確認
1.床下浸水でも家への影響はある
床下浸水では、居室まで水が入っていないため、家の中を見ると大きな被害がないように感じることがあります。問題は見えない床の下です。泥水が床下へ入り込むと、基礎や木材などが濡れ、汚泥が残ることがあります。
厚生労働省は、浸水した家屋について、感染症やカビなどを防ぐためにも汚泥を取り除き、十分に清掃・乾燥させることが重要としています。床下や庭については、むやみに消毒するより、まず清掃と乾燥を行うことが基本です。国土交通省の資料では、床下に汚泥が堆積すると、その除去のために床板の一部を取り外す必要が生じるケースも例示されています。
「床の上まで水が来なかったから大丈夫」とは言い切れません。水が引いた後に、床下の状態まで確認することが重要です。
2.床上まで水が来ると何が起きる?
床上浸水になると、被害範囲はさらに広がります。床材だけではありません。壁の石こうボードや断熱材、建具、コンセント、給湯設備、家具、家電などが水に触れる可能性があります。国土交通省の水害復旧に関する情報でも、床や壁が水を含み、断熱材が吸水すると、カビや臭い、床の弱体化などにつながることが指摘されています。
特に注意したいのが、壁や床の内部です。表面は乾いたように見えても、中の断熱材や木材に水分が残る場合があります。見た目だけでは判断しにくいため、被害が大きい場合には専門業者による確認が必要になることがあります。また、電気設備が浸水した場合は自己判断で電源を入れず、安全確認を優先する必要があります。
水害は、水が引いた瞬間に終わる災害ではありません。その後の乾燥や修復まで含めて住宅被害なのです。
3.水害の前後でできる対策
水害対策というと、防災用品を準備することを考えがちです。もちろんそれも必要ですが、住宅そのものについてできることもあります。まず、災害が起きる前に確認したいのがハザードマップです。自宅が洪水や内水氾濫の想定区域に入っているのか、想定される浸水深はどの程度なのかを確認しておきます。
さらに、1階にある家電や大切な物をどこへ移せるのか、分電盤や給湯器などの設備はどこにあるのかも確認できます。新築や大規模な改修なら、設備を高い位置へ設置する、浸水後に床下を点検・乾燥しやすい構造にするといった考え方もあります。国土交通省の浸水対策資料でも、床下の点検や排水、乾燥のしやすさ、水濡れに強い材料を使うことなどが対策として整理されています。
そして実際に浸水した場合には、すぐに片付ける前に被害状況を写真や動画で残しておくことも大切です。その後、泥を取り除き、換気しながら十分に乾燥させます。
浸水した家屋では、長靴や厚手の手袋、マスク、ゴーグルなどを使い、安全を確保しながら作業することも厚生労働省が呼びかけています。
4.火災保険に入っていても「水災」は別確認
ここは一度、自宅の保険証券を見てほしいところです。
「火災保険」という名前なので、火事だけでなく、台風や大雨による被害も全部補償されると思っている人もいるかもしれません。洪水や豪雨による浸水被害は、火災保険に水災補償が付いている場合に補償対象となるのが基本です。補償条件や支払基準は契約によって異なります。水災補償の付帯率は、2024年度の全国平均で61.8%。2020年度は66.6%だったため、付帯率は低下しています。「全世帯の加入率」ではないことです。
損害保険料率算出機構に報告された住宅物件の火災保険契約のうち、水災補償が付いている割合です。共済や少額短期保険などは含まれていません。
それでも、火災保険に入っている=水害も補償されると思い込まない方がよいことは分かります。ハザードマップを見るのと一緒に、自分の保険に「水災」の記載があるか確認しておく。これも水害対策の一つです。
まとめ
床下浸水は、床の上が濡れていないから軽い被害とは限りません。泥水が床下へ入れば、汚泥の除去や乾燥が必要になります。床上浸水になると、床、壁、断熱材、住宅設備、家具や家電など、被害範囲はさらに広がります。
水害対策では、「水が来ないようにする」だけでなく、「水が入ったら家のどこに影響するのか」「その後どう復旧するのか」まで考えておくことが大切です。
もう一つ確認しておきたいのが保険です。2024年度の水災補償付帯率は全国で61.8%。およそ4割の火災保険契約には、水災補償が付いていません。
大雨が降ってから保険証券を探すのではなく、ハザードマップを見る。家の弱い場所を知る。火災保険の水災補償を確認する。この3つは、雨が降っていない今だからこそできます。
水害への備えは、非常食を用意することだけではありません。自分の家が水に入ったとき、どうなるのかを知っておくこと。それも、これからの住まいを守る大切な備えです。
つづく