こんにちはキャリーライフ中川です。
実家は、いつまでも今のまま残っているとは限りません。
親が亡くなったり、施設へ入居したり、相続をきっかけに売却や解体を考えたりすることで、それまで普通にあった家が短期間で姿を変えることがあります。国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」では、空き家を取得した方法の57.9%が「相続」でした。また、相続した空き家が空き家になったきっかけは、所有者の死亡が58.3%、老人ホームなどへの入居が11.3%となっています。
実家について考える時間は、ある日突然やってくることがあります。そのときになって初めて、「家の写真をもっと撮っておけばよかった」と思っても、片付けや解体が進んだ後では元の暮らしを撮ることはできません。
今回は、実家を手放す予定がなくても知っておきたい、写真や動画で残しておく意味と具体的な場所を考えます。

目次
1.実家は「相続してから考える」家が多い
2.残したいのは、外観だけではない
3.写真より動画が向いている記録もある
4.片付ける前の実家にしか残せないもの
1.実家は「相続してから考える」家が多い
2023年の総務省「住宅・土地統計調査」では、全国の空き家は900万戸、空き家率は13.8%で、ともに過去最高となりました。さらに国土交通省の2024年調査を見ると、所有する空き家を相続によって取得した世帯は57.9%を占めています。
実家は、親が暮らしている間には「空き家」ではありません。ところが、親が亡くなる、施設へ移る、子どもの家へ転居するなどをきっかけに、生活の場から管理する家へ変わります。
しかも、相続された空き家の73.2%は1980年以前に建てられた住宅です。(国土交通省)
長く家族が暮らしてきた住宅ほど、建物の老朽化だけでなく、そこに積み重なった家族の記憶も多いと考えられます。売却や解体が決まってから初めて写真を撮るのではなく、親が暮らしている今の状態を残しておくことにも意味があります。
2.残したいのは、外観だけではない
実家を記録するとしたら、まず思い浮かぶのは建物の外観でしょう。
もちろん、家全体の姿は残しておきたいものです。それだけでは「そこで暮らした記憶」は十分に残りません。
例えば、玄関。何十年も家族が出入りした場所です。居間には、いつも父親が座っていた場所があるかもしれません。台所には、母親が毎日立っていた場所があります。廊下、階段、子ども部屋、柱についた傷、長年使った家具、庭の木。さらに忘れやすいのが、家の中から見ていた景色です。居間の窓から見えた庭や、2階から見えていた山や道路は、暮らしているときにはあまりにも普通なので、わざわざ写真に撮ることがありません。家を離れてしまえば同じ場所から同じ景色を見ることはできなくなります。
残しておきたいのは、立派な場所よりも、家族にとって「いつもの場所」なのかもしれません。
3.写真より動画が向いている記録もある
写真と動画では、残せるものが少し違います。写真は、一つの場所や物をはっきり残すのに向いています。
一方、家全体のつながりは動画の方が分かりやすくなります。
玄関を開ける。
廊下を歩く。
居間へ入る。
台所へ向かう。
階段を上がり、昔の自分の部屋へ入る。
この「家の中をどう歩いていたか」は、静止画だけでは残しにくい情報です。特別な撮影機材がなくても、スマートフォンで玄関から家の中をゆっくり歩いて撮るだけで記録になります。
また、親が元気なら、「ここは昔、どんな部屋だった?」「この家具はいつ買ったの?」と聞きながら撮る方法もあります。
建物だけではなく、そこで暮らした人の言葉も一緒に残せるのが動画の特徴です。
4.片付ける前の実家にしか残せないもの
実家を売却したり解体したりするとき、最初に始まることの一つが家財整理です。家具や生活用品をすべて運び出すと、同じ家でも印象は大きく変わります。
家族が使っていたテーブル。壁に掛かった時計。いつもの場所に置かれていた椅子。そうしたものがなくなると、住宅としての記録は残せても、「家族が暮らしていた家」の姿は薄れていきます。
国土交通省の調査では、相続空き家について、相続前に何らかの対策をしていた世帯は23.0%で、対策をしていなかった世帯は77.0%でした。対策をしていた世帯で最も多かったのは「被相続人との話し合い」です。
これは写真や動画についての調査ではありません。実家について親が元気なうちに考えている家庭がまだ少ないことは分かります。売るのか、残すのかを今決める必要はありません。
まず写真を撮っておく。親から家の話を聞いておく。それも、実家について早くからできる小さな準備の一つです。
まとめ
全国には900万戸の空き家があり、空き家を所有する世帯の取得方法では相続が約6割を占めています。実家は、親が暮らしている間は当たり前にそこにあります。わざわざ家そのものを写真に撮ることは少ないものです。
相続や施設入居などによって暮らす人がいなくなると、片付け、売却、解体という話が一気に進むことがあります。その前に残せるものがあります。外から見た実家。玄関。居間や台所。廊下。窓からの景色。庭。そして、そこにある家族の暮らしです。
写真でも動画でも構いません。実家をどうするか決める前でも、今の姿を残すことはできます。家族写真では背景として写ってきた実家を、一度だけ主役として残しておく。「実家想い出フィルム」も、この考え方から生まれました。を手放さないための商品ではありません。
いつか家の形が変わったとしても、そこで家族が暮らした時間までなくさないために、実家そのものを映像として残す。
実家じまいを考える前からできる、「残す」という選択肢の一つです。