こんにちはキャリーライフ中川です。
日本人の平均寿命が、男女とも前年を上回りました。2025年の平均寿命は、男性81.35歳、女性87.33歳です。前年より男性は0.25年、女性は0.20年延びました。
寿命が延びた年数を、そのまま元気に生活できる年数と考えることはできません。自分で買い物へ行く。食事を作る。友人と会う。住み慣れた家で暮らす。こうした日常生活を大きな制限なく続けられる期間を示すものが「健康寿命」です。
今回は、平均寿命と健康寿命の違い、その間にある期間をどのように考えればよいのかを整理します。

目次
1.2025年の平均寿命は男女とも延びた
2.健康寿命とは、元気に暮らせる期間
3.平均寿命との差は「寝たきりの期間」ではない
4.長寿の時代に考えたい暮らしの備え
1.2025年の平均寿命は男女とも延びた
厚生労働省が公表した2025年の簡易生命表によると、日本人の平均寿命は男性81.35歳、女性87.33歳でした。平均寿命とは、0歳の人が平均してあと何年生きると期待されるかを示す数字です。その年に亡くなった人の平均年齢ではありません。2025年の死亡状況が今後も続くと仮定して計算された統計上の指標です。
今回の数字は前年を上回りましたが、歴代最高ではありません。2020年には男性81.56歳、女性87.71歳を記録しています。新型コロナウイルス感染症などの影響で一時的に短くなった後、再び延びる動きが見られます。また、81歳や87歳になれば人生が終わるという意味でもありません。すでに65歳まで生活している人には、そこから先の平均余命があります。平均寿命は、社会全体の健康状態や医療、生活環境の変化を見るための一つの目安です。
大切なのは、「何歳まで生きるか」という数字だけではなく、その期間をどのような状態で過ごせるかです。
2.健康寿命とは、元気に暮らせる期間
健康寿命とは、健康上の問題によって日常生活が制限されることなく生活できる期間を表します。病気が一つもない期間という意味ではありません。高血圧や糖尿病などの治療を受けていても、買い物、食事、移動、家事などの日常生活を自分で送れていれば、健康寿命に含まれる考え方です。
健康寿命の最新値は2022年で、男性72.57歳、女性75.45歳です。健康寿命は、国民生活基礎調査などをもとに3年ごとに算出されるため、2025年の平均寿命と同じ年の数値は、まだ公表されていません。
同じ2022年の数字で比べると、平均寿命は男性81.05歳、女性87.09歳でした。
平均寿命と健康寿命の差は、
- 男性:8.49年
- 女性:11.63年
女性の方が平均寿命は長い一方、日常生活に何らかの制限がある期間も長い傾向があります。長寿化を考えるときには、平均寿命を延ばすだけでなく、健康寿命との間をどれだけ縮められるかが重要になります。
3.平均寿命との差は「寝たきりの期間」ではない
平均寿命と健康寿命の差を見ると、「男性は約9年間、女性は約12年間、寝たきりや要介護になる」と受け取ってしまうかもしれません。この理解は正確ではありません。
健康寿命は、調査で「健康上の問題によって日常生活に影響がある」と回答したかどうかなどをもとに算出されています。
差の期間には、
- 腰や膝の痛みで外出が減る
- 階段の上り下りが難しくなる
- 家事の一部に手助けが必要になる
- 通院や買い物に付き添いが必要になる
- 視力や聴力の低下で生活に不便が生じる
- 要支援・要介護となり介護サービスを利用する
など、さまざまな状態が含まれます。
すべての期間を、寝たきりや全面的な介護が必要な状態として表しているわけではありません。また、健康寿命の年齢を超えた途端に、全員の生活が難しくなるわけでもありません。
70代、80代になっても、自分で家事を行い、地域活動や仕事を続けている人はいます。反対に、健康寿命より若い年代でも、病気やけがによって生活に制限が生じることがあります。
健康寿命は個人の期限ではなく、社会全体の平均です。
自分自身の将来を一つの数字で決めつけるのではなく、年齢を重ねたときに、どのような支えがあれば日常生活を続けられるかを考えるための目安になります。
4.長寿の時代に考えたい暮らしの備え
健康寿命を延ばすというと、運動、食事、健診などが思い浮かびます。それらに加えて、日常生活を続けやすい環境を整えることも欠かせません。
例えば、足腰が弱くなったとき、家の中に大きな段差や急な階段があると、移動そのものが負担になります。浴室が寒い。寝室からトイレまで遠い。庭や広い家の管理に時間がかかる。
若い頃には気にならなかった住まいが、外出や家事を減らす原因になる場合があります。
大がかりな改修だけが対策ではありません。
- 床に置いている物を減らす
- 夜間の通路を明るくする
- よく使う物を取りやすい高さへ移す
- 寝室とトイレの動線を確認する
- 手すりや福祉用具を早めに検討する
- 買い物や通院の方法を確認する
- 家族や地域との連絡手段を決める
小さな見直しでも、自分でできることを保ちやすくなります。
長生きする時代には、介護が必要になってから生活を大きく変えるのではなく、元気なうちに少しずつ暮らしを整えることが重要です。本人が希望を伝えられる時期であれば、住み続ける、改修する、住み替えるといった選択肢も比較できます。
まとめ
2025年の平均寿命は、男性81.35歳、女性87.33歳となり、男女とも前年を上回りました。一方、最新の健康寿命は男性72.57歳、女性75.45歳です。平均寿命と健康寿命は、どちらか一方だけを見るものではありません。長く生きられることに加えて、その間をどのように暮らすか。自分でできることを、どうすれば長く保てるか。その視点が必要です。
健康寿命を考えることは、病気にならないことだけを目指すものではありません。
身体の変化があっても、住まい、家族、地域、介護サービスなどの支えを使いながら、自分らしい生活を続けることです。寿命の数字が延びる時代だからこそ、老後のお金だけでなく、毎日の暮らしと住まいを早めに見直す意味が大きくなっています。
つづく