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こんにちはキャリーライフ中川です。

家族写真では残りにくい「家そのもの」の記憶

昔の家族写真を見返すと、そこには父や母、祖父母、子どもの頃の自分が写っています。

ところが、その写真の背景に目を向けたことはあるでしょうか。

昔の居間、使い込まれた家具、廊下の奥、庭の木。家族の姿は何枚も残っているのに、実家そのものを意識して撮った写真は意外と少ないものです。長く暮らした家も、売却や解体、住み替えなどによって、いつか姿を変えることがあります。

だからこそ、特別な出来事だけではなく、今そこにある「いつもの実家」を写真や動画で残しておくことにも意味があります。

目次

1.家族写真では、家はいつも「背景」だった
2.なくなってから思い出す、何気ない場所
3.きれいな家より「いつもの家」を残す
4.家そのものを主役として残すということ

家族の写真を撮るとき、主役になるのは人です。

誕生日、入学式、正月、家族が集まった日。カメラは自然と家族の顔に向きます。その後ろには実家が写っていますが、家そのものを残そうとして撮影しているわけではありません。

昔の写真を見ると、

「この頃はこんなカーテンだったな」

「後ろに昔の食器棚が写っている」

「この柱、まだあったんだ」

と、むしろ背景に懐かしさを感じることがあります。

写真を撮った当時は何でもなかったものが、時間が経つことで家族の記憶を呼び起こすものに変わるのです。考えてみれば、実家は何十年もの間、家族写真の背景であり続けてきました。それだけ身近な存在だったからこそ、実家そのものを主役にして残す機会は少なかったのかもしれません。

実家について後から懐かしく思うのは、立派な設備やきれいな部屋とは限りません。

父親がいつも座っていた場所、母親が立っていた台所、何度も通った廊下、子どもの頃に使っていた部屋。窓から見えていた景色や、庭に植えてあった木を思い出すこともあります。

柱についた傷や、少し古くなった家具にも、その家族にしか分からない記憶があります。

ところが、こうした場所ほど写真には残っていません。毎日見ていたから、わざわざ撮る必要がなかったのです。実家を片付け、家具を運び出してから、「この部屋、前はどんな感じだったかな」と思っても、元の暮らしをそのまま戻すことはできません。

だから写真や動画で残すのであれば、特別な場所だけではなく、当たり前だった風景を残しておくことにも価値があります。

実家を撮影すると考えると、「まず片付けてから」と思うかもしれません。もちろん整理された状態を残すのも一つの方法です。

ただ、家族の記憶という意味では、生活の跡が残っている状態にも価値があります。いつものテーブルに置いてある物、長年使った椅子、壁に掛かった時計、玄関に並んだ靴。そうした日常の風景を見ることで、その頃の暮らしまで思い出せることがあります。

特別なカメラがなくても構いません。スマートフォンで外観を撮り、玄関から家の中へ入り、廊下や居間、台所、窓からの景色、庭までゆっくり撮ってみる。それだけでも、後から見返したときには大切な記録になります。

できれば、親が元気なら一緒に家の中を歩いてみるのもよいでしょう。

「ここは昔、何に使っていた?」

「この家具はいつからあるの?」

そんな会話まで残れば、映像の意味はさらに深くなります。

家族の思い出を残すというと、人を撮ることが中心でした。家族が暮らしてきた場所もまた、その家族の時間を知っている存在です。

何十年も家族を見てきた玄関。

毎日の食事をつくった台所。

家族が集まった居間。

子どもが巣立った後も残っている部屋。

そう考えると、実家は単なる建物ではありません。

だからといって、思い出があるから家をずっと所有し続けなければならないわけでもありません。家を残すことと、家の記憶を残すことは別に考えることができます。

売却することになっても、解体することになっても、その前に写真や動画として残しておくことはできます。実家をどうするかという判断だけではなく、その家から何を残しておきたいのかを考えることなのだと思います。

家族写真を振り返ると、いつも人が主役です。実家は、その後ろに何気なく写っています。

けれど、年月が経つと、背景だったはずの柱や家具、部屋の様子が懐かしく感じられることがあります。家がなくなってから残したくなっても、同じ風景を撮り直すことはできません。

だから、まだ何も決まっていないときでも、今の実家を少し意識して残しておく。

写真でも、スマートフォンの動画でも構いません。

家族写真ではずっと背景だった実家を、一度だけ主役として残してみる。

そこには、家族の姿だけを撮った写真とは違う、「暮らしてきた時間」が残ります。「実家想い出フィルム」は、そんな考え方から生まれました。住宅をきれいに紹介するためではなく、実家そのものと、そこで過ごした家族の時間を映像として残していく。

実家を将来どうするかを考えるとき、売る、残す、解体するという選択とは別に、「記憶を残す」という選択肢もあることを知っておいてもらえればと思います。

つづく