こんにちはキャリーライフ中川です。
免許返納後に見落としやすい地域とのつながり
親が免許返納を考える時、家族は買い物や通院を心配しがちです。
見落としやすいのは、用事ではない外出です。
友人に会う。
趣味に行く。
地域行事に参加する。
畑や墓を見に行く。
少し離れた親族の家へ行く。
生活に必須ではないように見える行動が、
本人の暮らしを支えていることがあります。
内閣府の令和5年度調査では、
60歳以上の外出頻度は「ほとんど毎日」が55.4%
「2〜3日に1回」が25.4%
合計すると80.8%が少なくとも2〜3日に1回は出かけています。

【目次】
1- 出かける機会は、暮らしのリズムを作る
2- 免許返納後に減りやすいのは「楽しみの移動」
3- 地域交通だけでは支えきれない場所もある
4- 返納前に確認したい外出先
1- 出かける機会は、暮らしのリズムを作る
高齢期の移動は、買い物や病院だけではありません。
近所を歩く。
公民館へ行く。
知人と話す。
趣味の集まりに出る。
地域の体操に参加する。
この小さな行動が、生活のリズムになります。
60歳以上の外出頻度は、
▪ほとんど毎日:55.4%
▪2〜3日に1回:25.4%
▪週に1回:6.5%
▪月に1〜2回:2.6%
▪ほとんど外出しない:3.4%
多くの人にとって、出かけることは日常です。
事例イメージです。
80代の父は、週2回、近くの喫茶店へ行っていました。
目的はコーヒーだけではありません。
顔なじみと話す。
新聞を読む。
店員と短い会話をする。
免許返納後、その回数が減りました。
買い物と通院は家族が支えています。
喫茶店には「わざわざ頼むほどではない」と考え、行かなくなりました。
暮らしの張りは、必要な用事だけでは保てないことがあります。
2- 免許返納後に減りやすいのは「楽しみの移動」
家族が支えやすいのは、必要な用事です。
病院。
薬局。
役所。
買い物。
反対に、頼みにくい移動があります。
友人との食事。
趣味の会。
墓参り。
地域行事。
少し遠い散歩先。
昔から通っていた店。
本人が遠慮しやすい部分です。
「遊びだから頼みにくい」
「子どもに迷惑をかけたくない」
「そこまでして行かなくてもいい」
この気持ちが重なると、外へ出る回数は減ります。
必要な移動
家族に頼みやすい
予定に入れやすい
回数を把握しやすい
楽しみの移動
本人が遠慮しやすい
家族が重要性に気づきにくい
自然に減りやすい
事例イメージです。
母は、月2回の手芸教室を楽しみにしていました。
返納後、娘が送ると言いました。
母は数回頼んだ後、「今月は休む」と言うようになりました。
体調が悪いわけではありません。
毎回頼むことに気を使っていました。
楽しみの予定は、生活に必要ではないように見えます。
本人らしさを保つ時間でもあります。
3- 地域交通だけでは支えきれない場所もある
免許返納後の移動手段として、バス、タクシー、乗合交通があります。
使える地域では大切な選択肢です。
ただ、地域交通にも課題があります。
国土交通省の資料では、「交通空白」に関する困りごと
令和7年4月30日時点で2,057地区がリストアップされています。
移動手段の確保は、地域全体の課題になっています。
バス停まで遠い。
本数が少ない。
帰りの時間が合わない。
タクシーがすぐ来ない。
夕方以降の移動が難しい。
地域によって条件は違います。
「返納したら公共交通を使えばよい」と単純には言えません。
事例イメージです。
父の趣味は、月1回の囲碁会です。
会場まで片道20分。
バスはありますが、帰りの便が合いません。
タクシーを毎回使うには費用が気になります。
仲間に送迎を頼むのも気が引けます。
結果として、参加回数が減りました。
移動手段が不安定になると、地域とのつながりも弱くなります。
4- 返納前に確認したい外出先
免許返納を考える時、病院と買い物だけを確認すると足りません。
本人が普段どこへ行っているかを見ます。
週1回以上行く場所。
月1回の楽しみ。
季節ごとの用事。
墓参り。
親族や友人宅。
地域活動。
趣味の場。
確認すると、生活の全体像が見えます。
確認ポイントです。
▪行き先:どこへ行っているか
▪頻度:週1回か、月1回か、年数回か
▪目的:必要な用事か、楽しみか、つながりか
▪手段;徒歩、バス、タクシー、家族、近所の人
▪代替策:送迎、乗合交通、近場の活動、曜日固定、まとめ移動
事例イメージです。
親の行き先を書き出すと、病院とスーパー以外に5つありました。
公民館の体操。
月1回の友人宅。
墓参り。
昔から通う理髪店。
地域の集まり。
家族は、必要な用事だけを心配していました。
本人の暮らしを支えていたのは、むしろ小さな予定でした。
60歳以上の80.8%は、少なくとも2〜3日に1回は出かけています。
免許返納を考える時は、必要な用事だけで判断しないことです。
どこへ行っているのか。
何のために出かけているのか。
その移動を誰が、どう支えるのか。
ここを見えるようにすると、返納後の暮らしを守りやすくなります。
つづく