こんにちはキャリーライフ中川です。
全国の地価が5年連続で上昇したというニュースを見て、「土地が高くなったなら、固定資産税も上がるのでは?」と気になった人もいるのではないでしょうか。結論からいうと、地価が上がったからといって、固定資産税が同じ割合ですぐに上がるわけではありません。
土地の固定資産税は、ニュースで見る基準地価や実際の売買価格をそのまま使って計算するものではなく、「固定資産税評価額」をもとに計算します。さらに住宅が建っている土地には税負担を軽くする特例があり、土地については急激な税負担の変化を抑える仕組みもあります。
今回は、地価上昇と固定資産税がどうつながっているのかを整理します。

目次
1.地価と固定資産税評価額は同じもの?
2.固定資産税の土地価格は3年ごとに見直される
3.住宅が建っている土地には大きな特例がある
4.地価上昇の今、自分の土地で確認したいこと
1.地価と固定資産税評価額は同じもの?
まず区別しておきたいのが、「地価」と「固定資産税評価額」です。先日発表された基準地価は、都道府県が毎年7月1日時点の基準となる土地について調査した価格です。
一方、固定資産税は、市町村が決定する固定資産税評価額をもとに計算します。広島市では、宅地などの固定資産税評価について、地価公示価格や不動産鑑定価格などを活用し、その7割程度を目途に評価するとしています。ただし、実際の土地は道路への接し方、奥行き、間口、形状などによって個別に補正されます。
「近くの基準地価が1㎡30万円だから、自宅の固定資産税評価額も1㎡30万円」
という計算にはなりません。
基準地価が10%上がったから、固定資産税も10%上がるというものでもありません。
ニュースで見る土地価格と、税金を計算するための価格にはつながりはありますが、同じ数字ではないのです。
2.固定資産税の土地価格は3年ごとに見直される
もう一つ大きなポイントが「評価替え」です。土地と家屋の固定資産税評価額は、原則として毎年すべて見直されるわけではありません。3年ごとに評価を見直す仕組みになっています。直近の基準年度は2024年度(令和6年度)です。そのため2025年度、2026年度については、原則として2024年度に決められた価格が据え置かれています。地価が大きく下落した場合などには、価格を修正できる仕組みがあります。2026年に基準地価が上昇したからといって、「来年の固定資産税が、その上昇率だけそのまま増える」とは限りません。
次の評価替えは3年周期で考えると2027年度になります。
地価が継続して上昇している地域では、その評価替えの際に固定資産税評価額へ影響が出る可能性がありますが、実際の税額は評価額だけで決まるわけではありません。ここが固定資産税を少し分かりにくくしているところです。
固定資産税は原則として、課税標準額 × 1.4%で計算します。
評価額と課税標準額が同じ場合もありますが、住宅用地の特例などがある場合は、評価額より低い金額が課税標準になります。
3.住宅が建っている土地には大きな特例がある
自宅の固定資産税を考えるうえで非常に重要なのが「住宅用地の特例」です。1月1日時点で住宅の敷地として使われている土地には、税負担を軽減する制度があります。
住宅1戸につき200㎡までの「小規模住宅用地」では、固定資産税の課税標準額は価格の6分の1になります。200㎡を超える部分についても、一定範囲までは「その他の住宅用地」として3分の1になります。都市計画税についても別の軽減があります。
例えば、土地の固定資産税評価額が上昇したとしても、住宅が建っている土地なら、この特例を適用した課税標準額をもとに税額が計算されます。
土地価格だけを見て、「こんなに評価が上がったら税金も大変なことになる」と判断する必要はありません。
一方で注意したいのが、住宅を解体した場合です。住宅を取り壊して、翌年1月1日時点で住宅用地ではなくなると、原則としてこの住宅用地特例が使えなくなります。そのため、建物の固定資産税はなくなっても、土地の固定資産税が上がることがあります。
空き家を解体するかどうかを考えるときにも、解体費だけではなく、その後の土地の税負担まで確認しておく必要があります。
4.地価上昇の今、自分の土地で確認したいこと
全国の地価が上昇していると聞くと、「自宅の資産価値も上がった」と感じるかもしれません。実際、土地の市場価値が上がっている地域もあります。土地にはいくつもの価格があります。
ニュースで発表される基準地価。
実際に売買される市場価格。
固定資産税を計算するための固定資産税評価額。
相続税や贈与税で使われる路線価。
それぞれ目的が違います。
土地を所有しているなら、ニュースの地価だけではなく、毎年届く固定資産税の納税通知書や課税明細書を一度見てみることをおすすめします。
そこには、土地の評価額、課税標準額、固定資産税額などが記載されています。「去年と何が変わったのか」「住宅用地の特例はどうなっているのか」を見るだけでも、自分が持っている土地の税金を理解しやすくなります。
固定資産税の路線価も公開されており、インターネット上の「全国地価マップ」などから確認できます。特に、自宅だけではなく親の土地や将来相続する可能性がある土地についても、
「固定資産税はいくらかかっている?」「評価額はいくら?」と確認しておくことには意味があります。所有した後になって初めて税負担を知るより、早い段階で土地の価値と維持費を知っておく方が、将来の選択肢を考えやすくなります。
まとめ
地価が上がったからといって、固定資産税が同じ割合ですぐに上がるわけではありません。
固定資産税には独自の評価額があり、土地・家屋は原則3年ごとに評価替えが行われます。
さらに住宅が建っている土地には、課税標準額を大きく引き下げる住宅用地の特例があります。
そのため、「地価上昇=固定資産税も同じだけ上昇」ではないと覚えておくと分かりやすいと思います。
一方、地価が上がるということは、土地の資産価値が変化している可能性があるということでもあります。土地の価値が上がれば喜ばしい面もありますが、土地は持っているだけで税金がかかり、管理も必要です。
そして住宅を解体すれば、住宅用地の特例が外れて土地の税負担が変わる場合もあります。
土地を見るときには、「いくらで売れるか」だけではなく、「持ち続けると、いくらかかるのか」も一緒に考える。
地価が動いている今だからこそ、自宅や実家の課税明細書を一度確認してみるのも、土地について考えるきっかけになるのではないでしょうか。
つづく