こんにちはキャリーライフ中川です。
住宅ローンの金利が上がっています。2026年9月のフラット35は、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下で、最も多い金利が年3.46%です。一方、民間銀行の変動金利では、三菱UFJ銀行が年1.195%、みずほ銀行では年1.025%~の商品があります。
数字だけを見ると、「変動金利の方がかなり低い」と感じます。
住宅ローンを選ぶときに考えたいのは、今の金利だけではありません。固定金利なら将来の返済額を確定できます。変動金利なら当初の負担を抑えやすい一方、今後の金利上昇によって返済負担が増える可能性があります。さらに最近は、35年を超える40年・50年ローンもあり、住宅ローンそのものの考え方が変わりつつあります。
今回は、「結局、今は固定と変動のどちらがいいのか」という二択ではなく、金利が上がり始めた今、住宅ローンを何を基準に選べばよいのかを考えてみます。

目次
1.住宅ローン金利は、どのくらい上がっている?
2.固定金利と変動金利は「高い・安い」だけで比べない
3.月々の返済額だけを見ると判断を誤りやすい
4.これからは「どこまでのリスクなら持てるか」で考える
1.住宅ローン金利は、どのくらい上がっている?
現在の住宅ローンを見ると、固定金利と変動金利には大きな差があります2026年9月のフラット35は、21年以上35年以下で最も多い金利が年3.46%。三菱UFJ銀行の新規借入の変動金利は年1.195%です。
例えば4,000万円を35年間借りるとして、金利以外の条件を同じにして単純計算すると、1%前後と3%台では毎月の返済額にもかなり差が出ます。住宅展示場や不動産会社で資金計画を見るときには、変動金利を使った月々の返済額の方が魅力的に見えやすくなります。
ただし、変動金利は名前の通り、将来も今と同じ金利が続く保証はありません。
実際、三菱UFJ銀行は短期プライムレートの引き上げに伴い、2026年9月から住宅ローンの変動金利の基準金利を見直しています。みずほ銀行も、2026年9月末まで年1.025%~で借りた場合でも、2027年1月返済分から年1.275%~が適用される予定と案内しています。
今は、「変動金利が上がる可能性がある時代に戻ってきた」ということを前提に住宅ローンを考える必要があります。
2.固定金利と変動金利は「高い・安い」だけで比べない
固定金利と変動金利を見ると、つい数字を比較したくなります。1%台と3%台なら、当然1%台の方が得に見えます。両者にはそもそも役割の違いがあります。
フラット35は、借入時に完済までの金利と返済額が確定します。将来、市場金利が上がっても基本的な返済額は変わらないため、長期間の資金計画を立てやすい住宅ローンです。
一方、変動金利は市場金利の変化に応じて金利が見直されます。
固定金利は「将来の金利上昇リスクを避ける代わりに、現在の金利を多めに払う」変動金利は「現在の金利を低くする代わりに、将来の金利上昇リスクを自分で持つ」と考えると分かりやすいと思います。そう考えると、どちらが得かというより、
「自分たちはどちらのリスクを持ちやすいか」という話になります。
例えば共働きで収入に余裕があり、多少返済額が増えても家計で吸収できる家庭なら、変動金利を選ぶ考え方があります。
反対に、教育費など今後大きな支出が予定されていて、毎月返済額が変わることを避けたい家庭なら、固定金利の安心に価値を感じるかもしれません。
住宅ローンは、金利の予想だけで決めるものではありません。
金利が上がったとき、自分たちの家計がどうなるかまで見て選ぶことが重要です。
3.月々の返済額だけを見ると判断を誤りやすい
住宅購入で最も分かりやすい数字は、「月々いくら払うか」です。
家賃が月10万円なら、「住宅ローンも月10万円程度なら買えるのでは」と考えることがあります。しかし、住宅ローンは家賃とは少し違います。
住宅を所有すれば、固定資産税があり、戸建てなら屋根や外壁、設備の修繕費も必要になります。マンションなら管理費や修繕積立金もあります。さらに、住宅ローンそのものについても、
借入額
金利
返済期間
総返済額
完済時の年齢
を一緒に見る必要があります。
最近は40年、50年と返済期間を長く設定できる住宅ローンもあります。フラット50では、2026年9月の最も多い金利が年3.70%となっています。返済期間を長くすれば、毎月の負担は抑えやすくなります。ただし、返済する期間は長くなります。
例えば30歳で50年ローンを組めば、契約上の完済は80歳です。
もちろん途中で繰上返済をしたり、住宅を売却したりする可能性もあります。
だからこそ、「月々払えるから買える」ではなく、「この住宅ローンを将来どう終わらせるか」
まで考えておく必要があります。住宅業界で長く住まいに関わってきて感じるのは、住宅購入時にはどうしても「買える金額」に目が向きやすいということです。
しかし本来は、「返し続けられる金額」と「将来の選択肢を残せる金額」で考える方が重要だと思います。
4.これからは「どこまでのリスクなら持てるか」で考える
住宅ローンには、万人に共通する正解はありません。変動金利を選び、金利が低いうちに元金を減らしていく方法もあります。固定金利を選び、毎月の支払いを確定させて生活を安定させる方法もあります。頭金を多く入れて借入額を減らす家庭もあれば、手元資金を残して住宅ローンを利用する家庭もあります。重要なのは、どの商品が最も安いかだけではなく、
自分たちがどのリスクなら受け入れられるかを考えることです。
例えば、住宅ローンを検討するときには、次のような視点があります。
金利が2%程度上がっても返済を続けられるか。子どもの教育費が増える時期と住宅ローン返済が重ならないか。定年時にローンはいくら残っているか。収入が一時的に減ったとき、半年から1年程度は耐えられるか。将来その家を売る可能性があるか。
こうしたことを考えると、「固定か変動か」だけだった住宅ローンの見え方が少し変わります。住宅を買うということは、数千万円の商品を買うだけではありません。
その後の30年、40年の暮らしと家計を一緒に引き受けることでもあります。
だから私は、住宅ローンを決めるときには、
「今、一番安い金利はどれか」より、「将来変化が起きても選択肢を残せるか」
という視点を持っておくことが大切だと考えます。
まとめ
住宅ローン金利は、長く続いた低金利の時代から変化し始めています。2026年9月現在、フラット35の代表的な金利は3%台半ば。一方、変動金利にはまだ1%台前半の商品があります。この差だけを見ると、変動金利を選びたくなるのは自然です。ただ、住宅ローンは今日の金利だけで終わりません。30年、35年、場合によっては40年、50年と続きます。
その間には、金利だけでなく、収入、家族構成、教育費、働き方、健康状態、住みたい場所まで変わる可能性があります。
固定か変動かという「商品選び」の前に、自分たちはどのくらいの変化まで耐えられる家計なのかを考える。これが、金利が上がり始めた今の住宅ローン選びで最も大切なことではないでしょうか。宅ローンは、できるだけ多く借りるための仕組みではありません。
長く安心して暮らすために、住宅価格と人生の支出をつなぐ仕組みです。
金利が上がったから家を買うべきではない、あるいは今すぐ買うべきだという話でもありません。住宅価格だけでなく、金利、返済期間、家計の余力、将来の暮らしまで一緒に見る。
住宅ローンの選択肢が増えている今だからこそ、「いくら借りられるか」ではなく、「どんな返し方なら自分たちらしい暮らしを守れるか」を考えることが必要になっていると思います。
つづく