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「今のところ何も壊れていないから、家の点検はまだ大丈夫」そう思っていませんか。

住宅は、雨漏りや設備故障のように目に見える症状が出てから初めて劣化するわけではありません。外壁の小さなひび割れ、屋根材の傷み、床下の湿気、水回りの漏れなど、早い段階では生活に支障がなくても、放置することで修理範囲が大きくなることがあります。

国土交通省は2026年10月8日、住宅の品質や性能を適切に維持し、長く使い続けられる仕組みを考える「住宅の維持保全・流通に関する制度検討会」をスタートしました。

これからは、家を建てることだけではなく、建てた後にどう点検し、修繕し、次につなぐかがさらに重要になります。

今回は、戸建て住宅で定期的に見ておきたい場所と、点検の考え方を整理します。

目次

1.家は「壊れてから直す」だけではない
2.まず確認したい5つの場所
3.点検の時期は家によって違う
4.点検と修繕の記録を残しておく

1.家は「壊れてから直す」だけではない

住宅のメンテナンスには、大きく分けて二つの考え方があります。

一つは、不具合が起きてから修理する方法です。

もう一つは、不具合が大きくなる前に点検し、必要に応じて補修する方法です。

住宅は後者の考え方が重要です。

例えば、外壁に小さなひびが入っていても、すぐ生活に影響するわけではありません。

しかし、その部分から雨水が入り続ければ、壁の内部や構造部分まで傷む可能性があります。

屋根も同じです。室内に雨漏りが出た時点では、すでに屋根や下地に傷みが進んでいることがあります。

国土交通省も、住宅を長く使い続けるためには、適切な維持保全を行うことが重要だとしています。2026年10月に始まった検討会でも、住宅の品質や性能をどのように維持していくかが主要なテーマになっています。

定期点検は、壊れた場所を探すためだけではありません。大きな修理になる前に、小さな変化を見つけるための確認でもあります。

2.まず確認したい5つの場所

戸建て住宅で特に確認しておきたいのは、雨や湿気、水を受ける場所です。まず外壁では、ひび割れや塗装の剥がれ、コーキングの切れなどを確認します。窓の周囲や外壁の継ぎ目は、水が入りやすい部分なので注意したいところです。屋根は自分で上る必要はありません。地上から見える範囲で、屋根材のずれや破損、雨どいの外れなどを確認し、気になる場合は専門業者に見てもらいます。床下や基礎では、大きなひび割れ、湿気、シロアリの痕跡などがないかがポイントです。室内では、天井や壁のシミ、窓まわりの結露、水回りの漏れなど、小さな変化にも注意します。給湯器や換気設備などの住宅設備についても、異音や動作不良が出ていないか確認しておきたいところです。

国土交通省の既存住宅インスペクションでも、構造上重要な部分や雨水の侵入を防ぐ部分について、劣化や不具合の有無を確認します。

自分でできる目視確認と、専門家に見てもらう点検を分けて考えるのが現実的です。

3.点検の時期は家によって違う

「家は何年に一度点検すればいいのか」気になるところですが、一般的な戸建て住宅すべてに共通する一つの年数が決まっているわけではありません。

建物の構造、外壁や屋根の材料、設備、地域の気候などによって、点検や修繕が必要になる時期は変わります。

まず確認したいのは、住宅を購入したときに渡された保証書やメンテナンス計画です。

住宅会社によっては、引き渡し後の定期点検時期を設定しています。また、長期優良住宅の認定を受けている住宅では、維持保全計画に沿って点検・修繕を行うことが求められています。国土交通省によると、最初の点検等は工事完了から10年以内、その後も10年以内ごとに、30年以上維持保全を行う仕組みになっています。

一般の住宅でも、この考え方は参考になります。大切なのは「築10年になったら必ず工事する」ということではなく、節目ごとに家の状態を確認し、必要な工事だけを行うことです。

また、台風や大雨、地震などの後は、定期点検の時期でなくても家の周囲を確認しておくと安心です。

4.点検と修繕の記録を残しておく

点検をしたら、その結果を残しておくことも大切です。例えば、外壁を塗装した時期、給湯器を交換した年、屋根を補修した場所などを記録しておけば、次に点検するときの判断材料になります。

特別な管理システムを使わなくても構いません。工事の見積書や保証書をまとめて保管し、スマートフォンで工事前後の写真を残しておくだけでも役立ちます。

長期優良住宅でも、点検や修繕の結果を記録として残すことが求められています。さらに国土交通省は、住宅の維持管理情報を将来の所有者へ引き継いでいくことも重視しています。

家を売却することになった場合も、いつ、どこを修繕したか分かれば、買う人が住宅の状態を判断する材料になります。つまり点検記録は、今の暮らしを守るだけではなく、将来その家をどうするか考えるときにも役立つ情報になります。

まとめ

住宅は、壊れてから修理するだけではありません。外壁や屋根、基礎、水回り、住宅設備などを定期的に確認し、小さな変化を早めに見つけることで、大きな修繕を避けられる場合があります。

2026年10月には、国土交通省も住宅の維持保全を今後の重要なテーマとして新たな検討を始めました。まずは、住宅を購入したときの保証書やメンテナンス計画を一度確認してみてください。以前の点検や修繕がいつだったか分からない場合は、現在の状態を確認するところから始める。

家を長持ちさせるために必要なのは、大きな工事を繰り返すことではなく、今の状態を知って必要な手入れを続けることです。

「まだ壊れていないから大丈夫」ではなく、「壊れる前に一度見る」。これが、長く住み続ける家の基本的なメンテナンスになります。

つづく