こんにちはキャリーライフ中川です。
親が住んでいた実家を相続したとき、「すぐに売却するのは寂しい」「かといって、誰も住まないまま残すのも心配」と迷うことがあります。
そんな実家の新しい使い方として考えられるのが、二拠点生活です。
現在住んでいる自宅を生活の中心にしながら、週末や長期休暇には実家で過ごす。そんな暮らし方であれば、実家をすぐに手放さず、家族とのつながりを残すこともできます。一方で、家を所有し続ける以上、維持管理や費用、相続登記、将来誰が管理するのかといった問題も考えなければなりません。
今回は、相続した実家を二拠点生活に活用するメリットと、始める前に確認しておきたいことを考えます。

目次
1.実家を活用した二拠点生活という選択肢
2.実家を残すことで得られるメリット
3.二拠点生活を始める前に確認したいこと
4.大切なのは「今使う」と「将来どうする」を分けて考えること
5.まとめ|実家は売る・残すだけではない
1.実家を活用した二拠点生活という選択肢
二拠点生活とは、現在の生活拠点とは別にもう一つ住まいを持ち、二つの地域を行き来しながら暮らす生活スタイルです。国土交通省では「二地域居住」という言葉を使い、主な生活拠点とは別の地域にも生活拠点を持つ暮らし方として、その普及を進めています。2024年11月には二地域居住を促進するための改正法も施行されています。
新しく別荘や住宅を購入する方法もありますが、すでに家族が所有している実家を活用する方法もあります。
例えば、
平日は現在の自宅で暮らす。週末は実家で過ごす。長期休暇には家族で帰る。テレワークの日だけ実家を使う。将来は実家側で暮らす期間を増やす。といった使い方です。
誰も住まなくなった実家だからといって、「売る」「貸す」「空き家のまま残す」だけが選択肢ではありません。
実際に使いながら将来を考えるという方法もあります。
2.実家を残すことで得られるメリット
実家を二拠点生活に使う大きなメリットは、家を「空き家」にせず、暮らしの中で使い続けられることです。
人が定期的に家を使えば、窓を開けて換気する。水を流す。庭の状態を見る。雨漏りや建物の異変に気づく。郵便物を確認する。といった日常的な管理ができます。
長期間誰も訪れない家より、建物の変化にも気づきやすくなります。
また、実家には金銭的な価値とは別のものがあります。子どもの頃に過ごした部屋。家族で囲んだ食卓。庭に植えた木。近所の人とのつながり。実家をすぐに手放すことに迷いがある家族にとっては、二拠点生活によって家族の想いを残しながら、次の使い方を考える時間を持てることもメリットです。
さらに、親の住む地域とのつながりを維持することにもつながります。
二拠点生活は単なる「家を二つ持つこと」ではなく、実家や地域との関係を残す方法の一つとも考えられます。
3.二拠点生活を始める前に確認したいこと
一方で、「実家があるから、とりあえず残して使えばいい」というほど簡単ではありません。
まず確認したいのが、誰がその実家を所有しているのかです。親が亡くなって相続した実家であれば、名義を確認する必要があります。2024年4月から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から原則3年以内に相続登記を申請する必要があります。
兄弟姉妹など複数の相続人がいる場合には、誰が所有するのか。誰が使うのか。維持費を誰が負担するのか。修繕が必要になったらどうするのか。といったことも話しておく必要があります。次に考えたいのが、家を維持する費用です。実家を使っていても使っていなくても、
固定資産税
火災保険
電気・水道などの基本料金
庭木の管理
建物の修繕
などが発生します。
さらに、自宅と実家を行き来する交通費も必要です。「家があるから安く二拠点生活ができる」と考えるだけでなく、年間でどのくらい費用がかかるのか、一度整理しておくことが重要です。そして建物の状態も確認します。長期間十分な手入れをしていない実家であれば、
屋根や外壁
給湯器
水回り
電気設備
耐震性
断熱性
などに修繕が必要な場合があります。
二拠点生活を始める前に、これから安心して使い続けられる家なのかを確認しておくことも大切です。
4.大切なのは「今使う」と「将来どうする」を分けて考えること
実家を二拠点生活に使うことを決めたとしても、それが実家の最終的な答えとは限りません。
今は二拠点生活を楽しめても、
10年後には移動が負担になる。
子どもが実家を使わなくなる。
建物の修繕費が大きくなる。
自分自身が高齢になる。
といった変化が起こります。
そこで、「今、この実家をどう使うか」と、「将来、この実家をどうするか」は分けて考えておく必要があります。
例えば、
今後5年間は二拠点生活として利用する。
その間に建物の状態や維持費を確認する。
5年後にもう一度、住む・貸す・売る・残すを家族で考える。
という決め方でもよいと思います。
実家の将来を一度に決める必要はありません。
しかし、今は使っているから、将来のことは考えなくてもいい」としてしまうと、いずれ同じ問題が次の世代に残ります。二拠点生活を選ぶのであれば、利用する期間や将来の方向性についても、家族で共有しておくことが大切です。
5.まとめ|実家は売る・残すだけではない
親が住まなくなった実家について、「売却するのは寂しい」「でも空き家のまま残すのも心配」
と迷う家族は少なくありません。そんなとき、二拠点生活という使い方も一つの選択肢になります。実家を実際に使いながら、家族との想いや地域とのつながりを残し、将来を考える時間を持つことができます。
一方で、所有者は誰なのか。維持費はいくらかかるのか。建物はこれからも使えるのか。家族はどう考えているのか。将来は誰が管理するのか。ということも同時に考える必要があります。
大切なのは、「実家を残すか、手放すか」だけで考えないこと。
住む。使う。貸す。売る。残す。実家にはいくつもの選択肢があります。まだ結論を急ぐ必要がない段階だからこそ、家族で実家のこれからを考えてみる。二拠点生活は、そのための一つの方法になるのではないでしょうか。
つづく