こんにちはキャリーライフ中川です。
久しぶりに実家へ帰ると、「こんなに歩くのがゆっくりだったかな」「冷蔵庫の中が前と少し違う」「庭の手入れができなくなっている」など、普段一緒に暮らしていないからこそ気づく、小さな変化があります。
変化があったからといって、すぐに介護が必要というわけではありません。大切なのは、親のできなくなったことを探すことではなく、「前に会ったときと何か違うかな」という目線で、暮らし全体を見てみることです。
年末年始、ゴールデンウィーク、お盆など、家族が久しぶりに顔を合わせる帰省は、これからの親の暮らしや実家について考えるきっかけにもなります。
今回は、久しぶりに帰省したときに確認しておきたい親と実家の小さな変化を整理します。

目次
1.久しぶりの帰省だから気づける親の変化
2.実家で確認したい12のこと
3.親に聞いておきたい5つのこと
4.変化に気づいたあと、すぐに答えを出さなくていい
5.まとめ|帰省は「親のこれから」を知る機会になる
1.久しぶりの帰省だから気づける親の変化
毎日一緒に暮らしていると、少しずつ起こる変化には意外と気づきにくいものです。一方、数か月ぶり、半年ぶりに親と会うと、歩く速度が以前よりゆっくりしている。
少し痩せたように見える。
外出が減っている。
家の中に物が増えている。
以前ならできていた庭の手入れができていない。
など、前回との違いに気づくことがあります。
厚生労働省も、高齢期の体重減少や疲れやすさ、活動量の低下などは、フレイルと呼ばれる心身の機能低下に関係する変化として、早めに気づくことが重要だとしています。
ただし、一つの変化だけを見て、「もう危ない」「介護が必要だ」と決めつける必要はありません。体調や季節、生活環境によって一時的に変わることもあります。
まずは、「以前と何が変わったのか」を落ち着いて見てみる。そこから始めれば十分です。
2.実家で確認したい12のこと
帰省したときに、親へ質問攻めをする必要はありません。
一緒に食事をしたり、家の中で過ごしたり、買い物に出かけたりする中で、自然に見えてくることがあります。
① 歩く速度や立ち上がり方
以前より歩く速度が遅くなっていないか。椅子や床から立ち上がるときに、何かにつかまることが増えていないか。玄関の段差や階段を以前より慎重に上り下りしていないか。家の中の段差が、年齢とともに大きな負担になる場合もあります。
② 体重や見た目の変化
「少し痩せたかな」と感じることも、一つの変化です。
高齢期の体重減少や低栄養は、筋力低下などにも関係するため、厚生労働省も注意を呼びかけています。 服が急に大きく見える、食事量が減ったなど、以前との違いがあれば少し気にしてみます。
③ 冷蔵庫や食事の様子
冷蔵庫を開けたとき、同じ食品ばかり入っている。食材がほとんどない。賞味期限が切れた食品が増えている。以前は料理していたのに、総菜や簡単な食事ばかりになっている。
といった変化が見える場合があります。単に食生活の好みが変わっただけかもしれません。
ただ、「買い物に行くのが大変になった」「料理をするのが面倒になった」という背景がないか、一度聞いてみる価値はあります。
④ 会話や日常の予定
同じ話を繰り返すことが増えていないか。予定を勘違いすることが増えていないか。
以前とは違う変化が続いている場合には、本人を責めるのではなく、家族で様子を見ておきます。気になる変化が続く場合には、かかりつけ医や地域包括支援センターなどへ相談する方法もあります。
⑤ 郵便物や書類
テーブルや棚に郵便物が大量に積まれていないか。重要そうな書類が開封されないまま残っていないか。以前ならすぐ処理していた人が、書類をためるようになっている場合には、
「面倒になった」「内容が分かりにくい」などの理由があるかもしれません。
⑥ 家の中の片付け
以前はきれいだった家に物が増えている。廊下や階段に荷物が置かれている。掃除が十分にできていない。こうした変化も、単なる「片付けの問題」とは限りません。
重い物を持てなくなったり、掃除機をかけるのが負担になったりしている可能性もあります。
⑦ 転びやすい場所
玄関。階段。浴室。廊下。ベッドの周辺。家の中を歩きながら、「ここにつまずきそうだな」と思う場所がないか見てみます。親自身は何十年も暮らしている家なので、不便さを当たり前だと思っていることがあります。
⑧ エアコン・暖房・住宅設備
エアコンは正常に動くか。給湯器に不具合はないか。照明が切れたままになっていないか。
水漏れはないか。設備が壊れていても、「まだ使えるから」「修理を頼むのが面倒だから」と、そのままになっていることがあります。また、古い実家では設備だけでなく、建物そのものの安全性も気になります。築年数が経っている場合は、耐震性について一度確認しておくことも大切です。
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⑨ 庭や家の外回り
庭木が伸びている。草が以前より増えた。雨どいや外壁に傷みがある。郵便受けが壊れている。こうした家の外側の変化も見ておきたいところです。
高齢になると、脚立を使った作業や庭木の剪定などは負担が大きくなります。
⑩ 車と運転
車に新しい傷やへこみが増えていないか。駐車に時間がかかるようになっていないか。夜の運転を避けるようになっていないか。ここで重要なのは、「もう免許を返した方がいい」とすぐ結論を出さないことです。むしろ、車に乗れなくなったら、買い物や通院をどうするのかを一緒に考えることが大切です。
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⑪ 外出や人とのつながり
以前はよく出かけていたのに、最近は家にいることが増えていないか。友人や近所の人と会う機会が減っていないか。趣味をやめていないか。暮らしを見るときは、身体だけでなく、外出や人とのつながりも含めて見ていきます。
⑫ 家や大切な物のこと
土地や家の書類はどこにあるのか。保険の書類はどこにあるのか。写真やアルバム、大切にしている物は何なのか。親が元気なうちは、「まだ先の話だから」となりやすいところです。
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しかし、本人に聞けるうちだからこそ分かることがあります。処分するためではありません。
「この家に何があり、何を大切にしているのか」を家族が知っておく。
それだけでも、将来の負担は違ってきます。
3.親に聞いておきたい5つのこと
家の中を確認したら、すべてを問題にする必要はありません。何気ない会話の中で、こんなことを聞いてみてもよいと思います。「最近、何か困っていることある?」
最初から、「介護はどうする?」この家どうする?」と大きな話をするよりも、現在困っていることから聞いた方が話しやすいことがあります。
次に、「買い物や病院は大変じゃない?」今は車で移動できていても、将来運転しなくなったときの暮らしを考えるきっかけになります。
そして、「家で直したいところはない?」親自身が気になっていても、業者を探すのが面倒でそのままになっていることがあります。
さらに、「これからもこの家で暮らしたい?」これは答えを決めるための質問ではありません。親が今どんな気持ちで暮らしているのかを知るための質問です。
最後に、「何かあったとき、誰に連絡したらいい?」家族、近所の人、病院、地域の相談先。離れて暮らしている家族ほど、緊急時の連絡方法を一度確認しておくことには意味があります。
4.変化に気づいたあと、すぐに答えを出さなくていい
帰省して親の変化に気づくと、「何とかしなければ」と思うかもしれません。
しかし、すぐに介護サービスを使う。設を探す。免許を返納する。家を売る。と結論を出す必要はありません。
まず、
何が変わったのか。
何に困っているのか。
本人はどうしたいと思っているのか。
を整理することが先です。
例えば、庭の手入れだけが大変なら、そこだけ誰かに頼めば今の暮らしを続けられるかもしれません。買い物が大変なら、宅配や移動販売など別の方法が見つかるかもしれません。
住宅の段差が問題なら、手すりや小さな改修で改善できる場合もあります。
「一つ困ったことがある=今の家では暮らせない」ではありません。
必要なところだけ少しずつ整えることで、これまでの生活を続けられることもあります。
一方で、複数の変化が重なり、家族だけでは整理が難しい場合には、地域の相談窓口を利用する方法があります。
地域包括支援センターは市町村が設置する高齢者の総合相談窓口で、介護予防、生活支援、権利擁護などを含めた相談を受けています。 相談したからといって、すぐ介護サービスを使わなければならないわけではありません。
まだ大きく困っていない段階で、今後のことを聞いておく。それも一つの使い方です。
5.まとめ|帰省は「親のこれから」を知る機会になる
久しぶりに実家へ帰ったとき、以前より歩くのが遅くなった。冷蔵庫の中が変わった。
庭の手入れができなくなった。家の中に物が増えた。車の運転が少し心配になった。
そんな小さな変化に気づくことがあります。
一つひとつは、それほど大きな問題ではないかもしれません。
でも、その小さな変化の積み重ねが、これからも今の家で安心して暮らせるのかを考えるきっかけになります。帰省したからといって、家族会議を開く必要はありません。片付けを始める必要もありません。実家を売るかどうかを決める必要もありません。
まずは、親の今の暮らしを知ること。
そして、以前と少し違うことに気づくこと。こからで十分です。
空き家になってから家を考えるのではなく、介護が必要になってから暮らしを考えるのでもない。親がまだ元気で、その家で普通に暮らしているときから、「これからも、この暮らしを続けられるかな」と家族で少しずつ考えていく。
それが、キャリーライフが大切にしている「困る前の住まいの準備」にもつながります。
年末年始でも、ゴールデンウィークでも、お盆でも。次に実家へ帰ったときには、久しぶりに会う親との時間を楽しみながら、ほんの少しだけ、親の暮らしと家にも目を向けてみてはいかがでしょうか。
つづく