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こんにちはキャリーライフ中川です。

住まいの将来を考える

平均寿命が延びることは、人生の時間が長くなることでもあります。ただ、長生きするほど、今の住まいを所有し、維持する期間も長くなります。「元気なうちは、この家で暮らしたい」

そう考える人は多いでしょう。一方で、年齢を重ねれば、階段や庭の管理、買い物、通院、住宅の修繕など、若い頃には気にならなかった負担が増えていきます。

今回は、長寿化によって変わる住まいの時間と、自宅や実家について元気なうちに考えておきたいことを整理します。

目次

1.65歳からの暮らしは20年以上続く
2.身体だけでなく、家族の形も変わっていく
3.住み続けるために確認したい5つの条件
4.自宅を離れた後のことも考えておく

2025年の平均寿命は、男性81.35歳、女性87.33歳でした。ただし、すでに65歳になった人が、平均寿命までしか生きないという意味ではありません。2025年の簡易生命表によると、65歳時点の平均余命は男性19.68年、女性24.52年です。平均すると、男性は84歳頃、女性は89歳頃までの暮らしが続く計算になります。75歳時点でも、男性は平均12.24年、女性は15.88年の余命があります。

退職や子どもの独立を迎えた後も、住まいとの関係は20年以上続く可能性があります。

その間には、

  • 外壁や屋根の修繕
  • 給湯器や水回り設備の交換
  • 固定資産税や火災保険の支払い
  • 庭や空き部屋の管理
  • 夫婦二人から一人暮らしへの変化
  • 介護や施設入居

などが起こります。

住宅を購入したときには子育てにちょうどよかった家も、高齢期には広すぎたり、管理しにくくなったりすることがあります。長生きする時代には、家を建てたときや購入したときだけでなく、年齢を重ねた後も維持できるかという視点が必要です。

住まいの負担が変わる理由は、身体の衰えだけではありません。家族の人数や、支えてくれる人との距離も変化します。子どもが遠方で暮らしている。夫婦の一方が亡くなる。車を運転できなくなる。近所の店や公共交通が減る。

建物に大きな問題がなくても、周辺環境や家族の状況によって、暮らしにくくなることがあります。

国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、一般世帯全体に占める65歳以上の一人暮らし世帯の割合は、2020年の13.2%から2050年には20.6%まで上昇すると見込まれています。世帯主が75歳以上の世帯も増え、住宅を一人で管理する高齢者がさらに多くなると考えられます。日本の持ち家住宅率は2023年時点で60.9%です。住宅全体の6割ほどを持ち家が占めています。高齢になっても持ち家があることは、住居費や安心感の面で大きな支えになります。

一方で、所有している限り、修繕、管理、税金、将来の処分を誰かが担わなければなりません。「家があるから安心」だけでなく、誰がその家を支え続けるのかまで考える必要があります。

自宅にいつまで住めるかは、年齢だけでは決まりません。

本人の健康状態と、住宅や地域の条件を合わせて考えます。

① 家の中を安全に移動できるか

玄関、階段、浴室、トイレ、寝室までの動線を確認します。階段を使わなければ生活できない間取りや、寝室からトイレまで遠い住宅は、年齢ととも負担が増えます。

生活の中心を1階へ移す、手すりや照明を追加する、床に置いた物を減らすなど、小さな改善から始められます。

② 買い物や通院を続けられるか

自宅の中が安全でも、買い物や病院へ行けなければ生活は成り立ちません。車を運転できなくなった後の交通手段、家族の送迎、宅配、訪問診療などを確認しておく必要があります。

③ 住宅の維持費を負担できるか

住宅ローンを完済していても、住居費がゼロになるわけではありません。固定資産税、火災保険、光熱費、修繕費、庭の管理費などが続きます。屋根や外壁、水回りの大きな修繕時期と、老後資金を重ねて考えることが大切です。

④ 管理を手伝う人がいるか

高齢になると、電球の交換、重い物の移動、草刈り、台風前後の確認なども負担になります。本人だけでは難しくなったとき、家族、近隣、民間サービスの誰へ頼めるかを確認します。

⑤ 緊急時に対応できるか

転倒や急病が起きたとき、誰へ連絡するのか。合鍵はどこにあるのか。かかりつけ医や服薬情報を家族が知っているか。一人暮らしになった場合は、見守りや緊急通報の仕組みも必要になります。「この家が好きだから住み続けたい」という気持ちは大切です。その希望を実現するには、気持ちだけでなく、住み続けるための条件を一つずつ整えることが必要です。

住まいについて考えるとき、在宅か施設かという二つの選択に分けてしまいがちです。

実際には、その間にもさまざまな方法があります。

  • 今の家を小さく改修する
  • 生活を1階だけで完結させる
  • 子どもの近くへ住み替える
  • 利便性の高いマンションへ移る
  • 高齢者向け住宅を検討する
  • 介護サービスを使いながら在宅生活を続ける

国の住生活基本計画も、人生100年時代を見据え、住み慣れた地域での暮らしや既存住宅の活用を含む、持続可能な住生活を目標に掲げています。

忘れてはいけないのが、自宅を離れた後です。

入院や施設入居によって誰も住まなくなっても、家は自動的に片付きません。換気や通水、郵便物、庭木、保険、税金、修繕などの管理が残ります。自宅へ戻る可能性があるなら、誰がどの期間管理するのかを決めます。

戻る可能性が低い場合は、

  • 家族が住む
  • 賃貸する
  • 売却する
  • 地域や事業で活用する
  • 一定期間管理してから判断する
  • 建物を解体する

といった選択肢を整理します。

急いで手放す必要はありません。

ただ、本人の意思が確認できなくなった後に、家族だけで判断するのは簡単ではありません。

登記名義、住宅関係の書類、家財、修繕履歴、将来の希望を、元気なうちから共有しておくことが重要です。

平均寿命が延びることは、自宅で暮らす期間や、住宅を所有する期間が長くなることでもあります。65歳を迎えてからも、平均で20年前後の暮らしが続きますその間、身体、家族、地域、住宅の状態は少しずつ変化します。

今の家に最後まで住むことだけが正解ではありません。改修して住み続ける。暮らしやすい場所へ移る。子どもの近くへ住む。自宅を次の人へ引き継ぐ。

大切なのは、変化が起きたときに選べる状態をつくっておくことです。

長寿への備えは、健康や老後資金だけではありません。

自宅や実家について、「いつまで住むのか「住めなくなったら誰が管理するのか「最後にどのようにつなぐのか」を考えておくことも、これからの人生設計の一部です。

つづく