こんにちはキャリーライフ中川です。
実家じまいで困る家財整理と将来の負担
戸建て住宅に長く住んでいると、いつの間にか家の中に物が増えていきます。押し入れ、納戸、物置、使わなくなった子ども部屋。収納できる場所が多いからこそ、普段の生活ではそれほど困らず、「とりあえず置いておこう」が続きやすいのも戸建ての特徴です。親が高齢になったり、実家を片付けたりする段階になると、それまで見えなかった大量の物が一気に問題になります。
今回は、なぜ戸建て住宅には物が増えやすいのか、物が多いことで将来どんな負担が生まれるのか、そして今からできる整理の考え方について考えてみます。

目次
1.なぜ戸建て住宅は物が増えやすいのか
2.物が多い家で起こりやすい3つの問題
3.実家じまいになって初めて分かる家財整理の負担
4.全部捨てるのではなく「今使っている物」から見直す
5.まとめ|家に余裕があるうちに物にも余裕をつくる
1.なぜ戸建て住宅は物が増えやすいのか
戸建て住宅は、マンションやアパートと比べて収納できる場所が多い傾向があります。
押し入れやクローゼットだけでなく、納戸、屋根裏、床下収納、物置、車庫など、普段あまり目にしない場所にも物を置くことができます。さらに、子どもが独立した後の部屋がそのまま収納場所になっている家庭も少なくありません。
収納場所があること自体は便利です。「まだ入るから置いておこう」「いつか使うかもしれない」「捨てるのはもったいない」と物を残し続けても、すぐには生活に支障が出ません。
そのため、物が増えていることに気づきにくいのです。
30年、40年と同じ家で暮らしていれば、家具や食器だけでなく、子どもの学用品、仕事関係の物、趣味の道具、いただき物、写真やアルバムなど、家族の生活そのものが蓄積されていきます。
戸建ての「広さ」が、知らないうちに物を残し続けられる環境にもなっているのです。
2.物が多い家で起こりやすい3つの問題
物が多くても生活できているうちは、「別に困っていないから、このままでいい」と思うかもしれません。高齢になるにつれて違う問題が出てきます。
一つ目は、安全面です。
床や通路に物が増えると、つまずいたり転倒したりする原因になります。若い頃なら簡単にまたげた段差や荷物でも、高齢になると大きな危険になることがあります。
二つ目は、必要な物を探しにくくなることです。
保険証券、土地や建物の書類、通帳、契約書、重要な連絡先など、本当に必要な物が大量の書類や荷物の中に埋もれてしまうことがあります。いざ家族が必要になったとき、「どこにあるのか分からない」という問題が起こります。
三つ目は、家族だけでは片付けられなくなることです。
物が少ないうちなら、少しずつ整理できます。しかし一軒の家全体に大量の物が残っていると、家族だけで短期間に整理することは簡単ではありません。物が多いことは、今の暮らしだけではなく、将来の家族の負担にもつながります。
3.実家じまいになって初めて分かる家財整理の負担
親が施設へ入居したり、相続が発生したり、実家を売却することになったりすると、家の中にある物を整理する必要が出てきます。
そのとき、多くの家族が初めて気づきます。「こんなに物があったのか」ということです。
家具や家電だけではありません。食器、衣類、本、布団、工具、園芸用品、古い書類、写真、アルバム、思い出の品など、家一軒分となれば相当な量になります。
さらに難しいのは、単純に「必要・不要」で分けられない物があることです。子どもから見れば不要に見えても、親には大切な思い出があるかもしれません。逆に、親にとっては不要でも、家族として残したい物があるかもしれません。そして本人に確認できない状態になってからでは、「これは捨ててよかったのだろうか」と家族が迷うことになります。
実家じまいの家財整理は、単なる片付けではありません。物を整理しながら、家族の記憶やこれまでの暮らしまで整理していく作業でもあります。
だからこそ、短期間で一気に行おうとすると、体力的にも精神的にも大きな負担になります。
4.全部捨てるのではなく「今使っている物」から見直す
では、実家の物は早いうちから全部処分した方がよいのでしょうか。そうではありません。
最初から、「これはいらない」「捨てた方がいい」と言われれば、親も抵抗を感じます。
まず考えたいのは、今の生活で実際に使っている物は何かということです。
例えば食器棚なら、日使っている食器、たまに使う食器、何年も使っていない食器、に分けてみるだけでも、必要な物が見えてきます。
洋服、本、家具、趣味の道具なども同じです。そして、思い出がある物については、無理に処分する必要はありません。
なぜ残したいのかを聞いてみることも大切です。物そのものを残すことが難しければ、写真に残したり、エピソードと一緒に記録したりする方法もあります。重要なのは、物を減らすこと自体を目的にするのではなく、これからの暮らしに必要な物と、家族として残したい物を少しずつ整理していくことです。一部屋全部を片付けようとしなくても構いません。
引き出し一つ、棚一段から始めるだけでも、何もしないのとは大きく違います。
5.まとめ|家に余裕があるうちに物にも余裕をつくる
戸建て住宅は収納場所が多く、長く暮らしているほど物が増えやすくなります。そのため、今は問題なく生活できていても、高齢になったときや実家じまいを迎えたときに、大量の家財が家族の負担になることがあります。
だからといって、すべてを捨てる必要はありません。
今使っている物は何か。これからも必要な物は何か。家族に残しておきたい物は何か。なぜそれを大切にしているのか。こうしたことを、まだ本人が元気なうちから少しずつ整理しておくことが大切です。
物を整理することは、家を片付けるだけではなく、これからの暮らしと家族の負担を整理することでもあります。実家じまいが必要になってから一気に始めるのではなく、まだ何も困っていない今だからこそ、「この家には、どのくらい物があるだろう」と一度見渡してみる。
それが、将来の実家じまいや空き家予防につながる小さな一歩になります。
つづく