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こんにちはキャリーライフ中川です。

建物がなくなっても残せるもの

実家という言葉を聞くと、建物そのものを思い浮かべる人が多いと思います。玄関、居間、台所、庭、子どもの頃に使っていた部屋。家族で暮らした時間が、その場所に重なっています。

実家を手放すことになったとき、「この家がなくなるのは寂しい」と感じるのは自然なことです。一方で、相続や住み替え、老朽化などによって、建物をずっと残せない場合もあります。そんなときに考えてみたいのが、実家を残すことと、建物を残すことは同じなのかということです。家そのものを残せなくても、その場所で過ごした時間や家族の記憶まで失う必要はありません。

目次

1.実家を手放しにくいのは、建物だけが理由ではない
2.解体すると消えてしまう「いつもの風景」
3.実家を残す方法は、所有し続けることだけではない
4.片付けや解体の前だから残せるものがある

長く誰も住んでいない実家でも、売却や解体の話になると急に迷うことがあります。

建物は古くなっている。

今後住む予定もない。

維持管理にもお金がかかる。

頭では「そろそろ考えた方がいい」と分かっているのに、なかなか決められない。その理由の一つには、実家が単なる不動産ではないことがあります。

父親がいつも座っていた場所。

母親が料理をしていた台所。

家族の身長を記した柱。

正月にみんなで集まった居間。

庭から見えていた景色。

そうしたものが一つの建物の中に残っています。

「家を手放す」という言葉が、家族の時間までなくしてしまうように感じることがあるのだと思います。

家を解体することが決まると、家具や家財の整理を始めます。必要なものを持ち出し、不要なものを処分する。その作業をしていると、アルバムや手紙など「残すべき物」には目が向きます。

一方で、意外と残らないものがあります。それが、家そのものの風景です。

外から見た実家。

玄関を開けたときの景色。

廊下。

台所。

階段。

何十年も使った傷のある柱。

窓から見える庭。

どれも写真映えする場所ではないかもしれません。

家がなくなったあと、思い出そうとしても、細かなところまではなかなか思い出せなくなります。「どんな壁紙だったっけ」「玄関の横には何があった?」「おばあちゃんの部屋はどんな感じだった?」当たり前すぎて撮影していなかったものほど、なくなってから懐かしく感じることがあります。

特別な場所ではなく、毎日見ていた場所こそ、その家らしさなのかもしれません。

思い出があるからといって、実家をずっと所有し続ける必要があるとは限りません。住む人がいなくなれば、定期的な管理が必要です。固定資産税や修繕費もかかります。建物の状態や家族の事情によっては、売却や解体が現実的な選択になることもあります。

ここで、「残すか、壊すか」という二択にしないことが大切だと思います。

建物を残す。

写真を残す。

動画を残す。

家族の話を残す。

そこにあった物を一つだけ残す。

家そのものを所有し続けなくても、実家の記憶を残す方法はいくつもあります。

例えば、家族で実家を一周しながら動画を撮るだけでも違います。

「ここでよく宿題をしていた」「この庭で子どもが遊んでいた」そんな会話も一緒に残しておけば、単なる建物の記録ではなく、家族の記憶になります。

実家の記録を残すなら、できれば家財をすべて出した後ではなく、まだその家らしさが残っているうちがよいと思います。家具があり、写真が飾ってあり、生活の痕跡が残っている。

その状態には、その家族にしか分からない空気があります。もちろん、自分たちでスマートフォンを使って撮影するだけでも十分です。

一方、家全体の様子や家族の話まで映像として残したい場合には、専門的に記録する方法もあります。「実家想い出フィルム」は、実家をきれいに紹介するための住宅映像ではありません。家の外観や室内だけではなく、家族がその家でどんな時間を過ごしてきたのかを、映像として残すことを大切にしています。家じまいのための商品というより、家がなくなる前に、そこにあった時間を残す方法の一つです。

実家をどうするかという判断と、実家の記憶をどう残すかという判断は、分けて考えてもよいと思います。

実家を残すというと、建物を所有し続けることを考えがちです。でも、本当に残したいものは建物だけでしょうか。

玄関を開けたときの景色。

家族が集まった居間。

父親や母親がいつもいた場所。

庭の木。

柱の傷。

そこで交わされた会話。

そうしたものも、実家の大切な一部です。

家は、いつか売却したり、解体したりすることがあります。それは、思い出を捨てることではありません。むしろ建物をどうするかとは別に、「この家の何を残しておきたいだろう」と考えてみる。

写真でもいい。

動画でもいい。

物でもいい。

親から聞いた話でもいい。

実家がなくなってからでは残せないものがあります。片付けを始める前、解体を決める前に、一度家の中をゆっくり見てみる。そこには、将来残しておきたい「家族の時間」が、思っている以上にたくさんあるかもしれません。

つづく