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こんにちはキャリーライフ中川です。

日本の人口が減っていることは、多くの方が知っていると思います。

それなら、「人口が減れば、世帯数も減るのでは?」と思いませんか。

ところが、実際には人口が減少する一方で、世帯数はしばらく増えると推計されています。一見すると矛盾しているように見えますが、その背景にあるのが、一世帯あたりの人数が少なくなっていることです。そして、この変化は住宅や空き家の問題とも深く関係しています。

今回は、人口が減っているのになぜ世帯数が増えるのか、その先に住宅や実家の将来がどう関係してくるのかを考えます。

目次

1.人口が減っているのに世帯数が増えるのはなぜ?
2.増えているのは「一人で暮らす世帯」
3.世帯数が増えても住宅問題がなくなるわけではない
4.高齢者の一人暮らしと「将来の実家」を考える
5.まとめ|人口ではなく「世帯の変化」から住まいを見る

ポイントは、「人口」と「世帯」は同じではないということです。

例えば4人家族が一つの家で暮らしていれば、4人=1世帯です。

しかし子ども2人が独立し、それぞれ別に暮らすようになると、

親夫婦=1世帯
子どもA=1世帯
子どもB=1世帯

となり、同じ4人でも3世帯になります。

つまり人口が増えなくても、家族が別々に暮らすようになれば世帯数は増えます。国立社会保障・人口問題研究所の最新推計では、一般世帯数は2020年の約5,570万世帯から増加し、2030年ごろに約5,773万世帯でピークになるとされています。その後は世帯数も減少へ向かう見込みです。

したがって、「人口は減るのに世帯はずっと増え続ける」ということではありません。

現在の日本は、人口減少が先に進み、その後しばらくして世帯数も減少へ向かう途中

にあると考えると分かりやすいと思います。

世帯数の変化を見るうえで重要なのが、単独世帯、つまり一人暮らしの増加です。国立社会保障・人口問題研究所によると、単独世帯は2020年の約2,115万世帯から増加し、2035年には約2,450万世帯でピークを迎える見込みです。

さらに、全世帯に占める単独世帯の割合は、

2020年 38.0%
2030年 41.6%
2050年 44.3%

へ上昇すると推計されています。

2050年には、およそ10世帯に4世帯以上が一人暮らしという社会です。

背景には、未婚化。齢化。配偶者との死別。子どもの独立。家族が別々の場所で暮らすこと。

など、さまざまな変化があります。

昔のように、祖父母。親。子ども。が一つの住宅で暮らす家庭だけではなくなっています。

一軒の家に暮らす人数が少なくなれば、人口が減っていても世帯数はすぐには減りません。

ここで住宅について考えてみます。

世帯数が増えているなら、「それだけ家が必要なのだから、空き家問題とは矛盾するのでは?」と思うかもしれません。しかし、そう単純ではありません。

必要とされる住宅と、空き家になっている住宅が同じ場所にあるとは限らないからです。

都市部で一人暮らしを始める若者が増える一方で、地方では親だけが戸建て住宅に住んでいる。親が亡くなったり施設へ入居したりすると、その戸建て住宅に住む人がいなくなる。

子どもはすでに別の地域に自宅を持っているため、実家には戻らない。

こうして、新しい世帯ができる一方で、別の場所では住宅が空くということが起こります。

これは以前の記事で取り上げた、「空き家が900万戸あるのに、なぜ新築住宅を建て続けるのか?」ともつながる話です。

日本全体の住宅数だけを見るのではなく、誰が、どこで、何人で暮らしているのか

まで見る必要があります。

キャリーライフとして特に注目しているのが、高齢者世帯と実家の関係です。

例えば、子どもが独立したあとも両親が実家に住み続けます。

やがて父親が亡くなり、母親が一人で暮らす。この時点では、その住宅は空き家ではありません。普通に人が暮らしている「実家」です。

しかし、その母親が施設へ入居したり亡くなったりすると、一人暮らしの1世帯がなくなると同時に、一軒の住宅が空くことになります。

ここが、空き家予防を考えるうえで重要だと思います。家が空き家になる日は突然来るように見えます。でも実際には、その前に、子どもが独立する。夫婦二人暮らしになる。

一人暮らしになる。を運転できなくなる。家の管理が難しくなる。施設入居を考える。という暮らしの変化があります。つまり空き家は、ある日突然生まれるだけではなく、家族構成の変化の先に生まれるケースも多いのです。

だからこそ、「空き家になってからどうするか」だけでなく、「今は親が住んでいるこの実家を、将来どうするのか」を早めに考えることに意味があります。

日本では人口が減少しています。一方で世帯数は2030年ごろまで増加し、その後減少へ向かうと推計されています。その大きな背景にあるのが、一人暮らしをはじめとする世帯の小規模化・単独化です。

これから住宅の将来を考えるとき、「日本の人口が何人になるか」だけを見るのでは十分ではありません。

一軒の家に何人で住むのか。

高齢者だけの世帯がどのくらいあるのか。

子ども世代はどこで暮らしているのか。

親がいなくなったあと、その家を誰が使うのか。

こうした家族と世帯の変化を見る必要があります。

今、親が一人で暮らしている実家も、現在は空き家ではありません。しかし、

「この家は10年後、誰が住んでいるだろう」と考えると、将来の姿が少し違って見えてきます。住むのか。売るのか。貸すのか。家族で使うのか。残したいのか。

まだ答えを決める必要はありません。ただ、親が元気なうちに家族で一度考えておく。

それが、将来の空き家を減らすための「空き家予防」の第一歩になるのではないでしょうか。

つづく