こんちはキャリーライフ中川です。
夏の暑さが年々厳しくなる中で、
家の中でも熱中症が心配という声が増えています。
特に高齢世帯や築年数の古い家では、
断熱・通風・遮熱の工夫がされていないケースも多く、
住環境による健康リスクが深刻です。
住みながらでもできる暑さ対策と、
住宅の価値を守るためのポイントをお伝えします。

目次
1|家の中が暑くなる理由とは?
・1-1:屋根・壁・窓が受ける熱の影響
・1-2:高齢住宅ほど“熱がこもる”構造に
2|夏を快適にする住まいの工夫
・2-1:遮熱・断熱リフォームの考え方
・2-2:日差しをカットする外まわり対策
3|通風と換気が生む“涼しさ”の違い
・3-1:窓の配置と風の通り道を見直す
・3-2:室内熱を逃す「排熱」のポイント
4|暑さ対策は“健康”と“資産”を守る
・4-1:室内温度と健康被害の関係
1-1:屋根・壁・窓が受ける熱の影響
真夏の直射日光は、屋根や壁から大量の熱を室内に伝えます。
特に屋根面は外気温+20℃以上まで表面温度が上がり、
断熱材が薄い場合は天井裏の温度が60℃近くにもなります。
南向きや西向きの窓は、
ガラスを通して強烈な日射が室内に入り込みます。
窓ガラス1㎡あたり、
夏場には最大700W(ドライヤー約7台分)の
熱エネルギーが流入するとされ、
冷房効率を大きく低下させます。
家の中が暑くなる原因の大半は、「外皮」からの熱侵入です。
1-2:高齢住宅ほど“熱がこもる”構造に
築30年以上の住宅の多くは、
断熱基準が現在より大幅に緩く、
屋根・壁・床いずれも断熱材の厚みや性能が不足しています。
昼間に入り込んだ熱が夜までこもります。
屋根裏や押し入れなどに熱が滞留しやすく、
夜間も室温が下がらない状態になります。
夜間熱中症リスクを高める要因となります。
2-1:遮熱・断熱リフォームの考え方
外からの熱を遮断する「遮熱」と、
内部に入った熱を室内に伝えない「断熱」の
両方を組み合わせる方法です。
屋根や外壁に遮熱塗料を施すと、
表面温度を最大10〜15℃低減でき、室温上昇を抑えられます。
また、壁や天井に高性能断熱材を追加することで、
冷房効果を長時間キープできます。
窓にはLow-E複層ガラスや内窓設置が有効
間の冷暖房費を約30%削減できるケースもあります。
2-2:日差しをカットする外まわり対策
外部からの熱流入を抑えるには、外まわりの工夫が有効です。
・すだれ・外付けブラインドの設置
・庇(ひさし)やオーニングで日射角度を遮る
・庭木や緑のカーテンで自然の遮蔽を作る
比較的低コストで導入でき、即効性があります。
外付けブラインドは室内カーテンよりも
約3倍の遮熱効果があり、
冷房負荷を大きく軽減します。
3-1:窓の配置と風の通り道を見直す
家の中に風の入口と出口を作り、
空気の流れを計画的に確保します。
たとえば
南北や東西の対角線上に窓を配置すると、
風速が約1.5倍になり、体感温度を下げられます。
換気扇や通風口も組み合わせることで、
外気温より低い体感環境をつくれます。
3-2:室内熱を逃す「排熱」のポイント
昼間に溜まった熱を夜間に逃がす排熱も重要です。
屋根裏換気扇や天窓の排熱機能を使えば、
室温を2〜3℃低下させる効果が期待できます。
風がない日でもサーキュレーターや
窓用ファンで空気を動かすことで熱滞留を防げます。
特に2階建て住宅では、
階段上部や吹き抜け部に熱がこもりやすいため、
局所的な排熱対策が資産価値維持にもつながります。
4-1:室内温度と健康被害の関係
環境省によれば、
室温28℃を超えると高齢者の熱中症リスクが急増します。
就寝中の熱中症は屋外より発見が遅れやすく、
重症化の恐れがあります。
暑さ対策は快適性だけでなく、命を守る健康対策でもあります。
つづく