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ブログ BLOG

キャリーライフの中川です。

土地や実家を所有している方にとって、

意外と身近で厄介なのが「境界線」をめぐるトラブルです。


・塀や庭木の越境

・古い登記簿と現況のズレ

・相続時の立会い不在

境界の曖昧さは、近隣との信頼関係や資産価値にも影響があります。

境界線の基礎知識とよくある事例などお伝えします。

1|境界線とは?なぜ問題になるのか
・1-1:土地の「筆界」と「所有権界」
・1-2:境界線が曖昧な土地の現実

2|境界線をめぐる代表的なトラブル
・2-1:越境トラブル(塀・木・建物)
・2-2:測量ミスや登記簿と実態の不一致

3|トラブルを防ぐための事前対策
・3-1:境界確認と隣地との立会いの重要性
・3-2:筆界確認書・境界標・測量図の活用

4|実家・相続と境界問題の関係性
・4-1:相続後にトラブルが起きやすい理由
・4-2:売却や実家じまいで困らないために

境界線には2種類あります。
1.「筆界(ひっかい)」公的な登記上の区切り。

2.「所有権界」実際の利用・所有範囲を示します。

この2つが一致していれば理想ですが、

古い土地や未登記部分ではズレていることも多く、

これが後のトラブルの火種になります。


たとえ5cmでも、住宅地における境界の認識は重要です。

国土交通省によれば、日本国内の宅地のうち

約3割が「境界未確認」の状態にあります。


特に昭和40年代以前に開発された住宅地では、

境界標(杭)が失われているケースが多く、

現況と登記簿の情報にズレが生じています。


その結果、隣人との認識に差が生まれ、

ここはうちの土地だ、いつの間にか越境していたなど

紛争が発生します。


高齢の親が管理していた実家では、

そもそも境界を意識していなかったという場合も少なくありません。

境界トラブルで最も多いのが越境に関する事案です。


たとえば─


・塀やブロックが相手側の敷地に入り込んでいる


・庭木の枝が越境し、落ち葉や虫の被害が出ている


・エアコン室外機がわずかに越境している


越境が原因で近隣との関係が悪化し、

訴訟に発展するケースも実際にあります。


民法上、他人の土地に越境した樹木の切除や工作物の撤去は、

原則として所有者の責任となるため、注意が必要です。

土地を売却しようとしたとき、

登記簿上の面積と現況が違うということがあります。


古い土地や手書き測量時代に多く見られ、

数㎡の差が発生することで売却不可になる場合もあります。


また、

隣地と境界線が合意がないままブロック塀が築かれていたり、

昔の慣習で決めた境界が正式に反映されていないケースもあります。


不動産取引時には、

正確な現況測量図と境界確認がセットで求められるため、

早めの対応が重要です。

境界問題を未然に防ぐ基本は、

隣地所有者との「立会い確認」です。


測量士が境界標を設置し

両者がサインした「筆界確認書」を残すことで、

将来のトラブル予防と証拠保全になります。

境界に関する“証拠”として有効3つ

・筆界確認書:お互いが境界を認めた書類(署名捺印あり)


・境界標:現地に設置するコンクリート杭やプレート


・測量図:最新の現況を反映した図面(地積測量図など)


揃っていれば、相続や売却、活用の際にスムーズに


とくに

筆界確認書は「隣地の同意」が必要なため、

元気なうちの準備が何よりも大事です。

境界トラブルは相続がきっかけで表面化する多く


親世代が口頭で管理していた内容が、

相続人間で共有されておらず、

隣地とも意思疎通がないままになっているからです。


また、

相続後に測量や売却を進めようとした際に、

実は越境していた、筆界が不明だった。

などが判明する例も多く、

解決に数ヶ月〜1年かかることもあります。


相続登記の義務化が始まる今、

事前に境界確認しておくことは

財産を守るうえで欠かせない行動です。

実家を手放すとき、境界が曖昧なままでは

買い手がつかない、または価格が下がるという現実があります。


不動産業者も境界未確認の土地は

リスクが高いため、敬遠される傾向にあります。

“じまい”をするにも、

“資産として活かす”にも、

境界の整備は避けて通れません。

つづく