こんちはキャリーライフ中川です。
土地評価の基本と3つの評価額の違い
固定資産税、相続税、売却など
土地を持っていると評価額という言葉を聞きます。
しかし、「いくらで評価されているのか」
「そもそも評価額って何種類あるの?」
という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
今回は、土地を所有している方に向けて、
3つの評価額の違いと使い道について整理します。

目次構成
1|土地評価とは何か?
・1-1:評価額は「1つ」ではない
・1-2:なぜ複数の評価額が存在するのか
2|3つの評価額の基礎知識
・2-1:固定資産税評価額とは
・2-2:相続税路線価とは
3|時価との違いに注意
・3-1:公的評価と実勢価格のギャップ
・3-2:売却のときに評価額は使える?
4|評価額の確認方法と見るべきポイント
・4-1:評価額を知るにはどこを見ればいい?
・4-2:毎年変わる?更新頻度に注意
1-1:評価額は「1つ」ではない
土地の評価はいくらですか?と聞かれても、
答えは一つではありません。
土地の評価額には複数の種類が存在し、
それぞれ使われる場面が異なるからです。
一般的に使われる評価額は、
・固定資産税評価額
・相続税評価額(路線価)
・時価(実勢価格)
例えば、同じ土地でも
・固定資産税評価額が1,000万円
・相続税評価額が1,200万円
・実勢価格が1,800万円
というケースは珍しくありません。
1-2:なぜ複数の評価額が存在するのか
評価額が複数存在する理由は、
目的によって土地の価値を算出する基準が異なるためです。
たとえば
税金を計算するための「評価額」は、
課税の公平性を保つために全国的な基準で算出されます。
一方、売買で使われる「時価」は
市場の需要と供給によって変動するリアルタイムの価格。
それぞれの目的に応じて、
異なるロジックとタイミングで金額が決まります。
2-1:固定資産税評価額とは
固定資産税評価額とは、
毎年の固定資産税や都市計画税の算出基準となる金額です。
市区町村が3年ごとに見直しを行い、
国が定めた「評価基準」に基づいて計算されます。
実勢価格の約70%が目安とされており、
登記簿や納税通知書などで確認可能です。
土地を所有している限り発生する税金ですので、
自分の評価額を把握しておくことは不可欠です。
2-2:相続税路線価とは
相続税評価額に使われる「路線価」とは、
国税庁が毎年発表する基準値です。
主要道路ごとに1㎡あたりの価格が設定されており、
宅地の形状や奥行によって補正されます。
おおむね実勢価格の約80%が目安で、
相続や贈与の税額を計算する際に用いられます。
国税庁のホームページで誰でも確認できるため、
将来的な相続対策にも有用です。
3-1:公的評価と実勢価格のギャップ
同じ土地でも、「評価額」と「市場での売却価格(実勢価格)」
大きな差があることがあります。
たとえば
固定資産税評価額が1,000万円の土地でも、
実際の売却時には2,000万円になるケースも
逆に買い手がつかず1,500万円以下でしか売れないこともあります。
評価額はあくまで“基準”であり、
現実の取引とは異なるということを前提に、
評価額と時価のギャップを認識しておくことが重要です。
3-2:売却のときに評価額は使える?
売却時に評価額が参考になることもありますが、
価格設定の直接的な根拠にはなりません。
買い手は
・近隣の成約事例
・立地条件
・再建築の可否
などを見て判断します。
固定資産税や路線価を見れば、
ざっくりとした目安や相場感を把握することは可能です。
4-1:評価額を知るにはどこを見ればいい?
・固定資産税評価額:
市区町村から送られる「課税明細書」や納税通知書
・相続税路線価:
国税庁ホームページの「路線価図」
・実勢価格:
不動産ポータルサイト、レインズ(不動産業者用)など
無料で確認可能な情報源があるため、
年に1度はチェックしておくのがおすすめです。
4-2:毎年変わる?更新頻度に注意
固定資産税評価額は3年ごとに見直し(直近は2024年)
相続税路線価は毎年7月ごろに更新
実勢価格は常に変動しており、
地価公示(年1回)や地価LOOK(四半期)も参考になります。
土地の価値は静かに変化しているため、
過去の価格を当てにせず、定期的な情報更新が肝心です。
つづく