こんにちはキャリーライフ中川です。
住まない資産がもたらす歪み
東京・千代田区の高級マンションの一部で、
所有者の約7割が外国人投資家、
多くが実際には住んでいないという。
都心の億ションは、暮らすための住宅ではなく、
資産の保管庫として取引されているのです。
不動産経済研究所によると、
2025年上半期の首都圏新築マンション平均価格
8958万円、東京23区では1億3064万円。

【目次】
1-1 投資対象化する“住まないマンション”の実態
1-2 実需を圧迫する「富裕層バブル」の構図
2-1 “空き家問題”は地方だけではない
2-2 家の価値を取り戻すためにできること
1-1 投資対象化する“住まないマンション”の実態
ダイヤモンド・オンラインの報道によると、
千代田区や港区の一等地では、
所有者の7割以上が外国人投資家という物件も存在します。
投資スタイルで、複数の高級物件を分散して購入。
実際には誰も住まず、
管理費と固定資産税だけを払い続ける空き家資産です。
日本の不動産が海外資本に人気なのは、
価格の割安感と税制の緩さが背景にあります。
一方で、国内居住者にとっては
住宅価格の高騰を引き起こし、
高すぎて買えないという現実を生んでいます。
住まない家が“住めない人”を増やしている状況です。
1-2 実需を圧迫する「富裕層バブル」の構図
不動産市場では、
実際に住む目的で家を購入する層(実需)よりも、
資産保有・投資目的の購入(投資需)が
上回るエリアが増えています。
特に東京都心部では、
販売価格の平均が1億円を超えたことで、
年収1000万円世帯でも
新築を購入できないといわれています。
マンションデベロッパーは富裕層・外国人向け
高額物件を中心に供給を続け、
結果として中間層が市場から排除される構図が進行。
住む家が動かす資産へと変質する中で、
住宅市場が暮らしの基盤から乖離していることが問題です。
2-1 “空き家問題”は地方だけではない
これまで空き家問題は地方の課題とされてきました。
いまや都心の高級マンションでも、
人が住まないという意味で
空き家化が進行しています。
地方では老朽化による放置
都心では富裕層による保有放置
形は違えども、使われない家が増えている点は同じ。
国土交通省の「空き家実態調査2024」では、
居住実態のない住宅が全国で約900万戸、
管理不十分が360万戸と報告されています。
家が使われないことが
社会コストを生み出すことは、
地方だけでなく都心でも例外ではありません。
2-2 家の価値を取り戻すためにできること
住宅は本来、人が暮らすための場所であり、
地域や家族を支える社会基盤です。
それが資産保管庫と化すと、
・人のいない街
・管理されない建物
・偏った価格形成
副作用を招きます。
住宅は投機の対象ではなく生活の器であること。
この原点を見失わないことが、
これからの日本の不動産を健全に保つ鍵になります。
7割が空き家という異常な都心の実態は、
住宅を持つことの意味を問い直すサインです。
つづく