こんにちはキャリーライフ中川です。
2025年12月3日の中国新聞で、
広島県福山市の空き家がこの10年で
約4,000棟増えたという記事が掲載されました。
人口が急激に減っている地域ではありません。
それでも空き家が増え続ける。
福山市だけの問題ではなく、
全国の多くの地方都市が抱えている共通の課題です。
家族の暮らし方の変化と
地域との距離感が数字へ表れています。

【目次】
1 福山市の空き家は10年で4,000棟増
2 全国的にも同じ状況が進んでいる理由
3 実家が使われないまま残る“構造的な理由”
4 家族の会話不足が空き家を生む時代
1 福山市の空き家は10年で4,000棟増
新聞記事では、
・空き家は10年で約4,000棟増
・再利用可能な家が51.3%
・管理不全のリスクが高まっている
特に注目すべきは、
壊れて住めない家ばかりではない
活用できる可能性が残る家が半分以上ある
という事実です。
空き家は古くて住めないから増えるわけではなく、
判断が曖昧なまま残されてしまう家
が積み上がっているという構図です。
福山市は人口46万人規模で、
急激な過疎地域とは言えません。
年間約400棟のペースで空き家が増えているとすれば、
全国的な傾向の縮図と捉えることができます。
2 全国的にも同じ状況が進んでいる理由
総務省の調査では、
全国の空き家数は約900万戸を超え、
住宅の7戸に1戸が空き家という時代に入りました。
背景には以下の共通点
1)高齢者の単身世帯が急増
2)子ども世代が都市部へ移動
3)相続後の利用用途が定まらない
4)建て替えコストが上昇し、判断が遅れる
5)親が施設へ入るタイミングが早くなった
地方都市ほどこの傾向は強く、
実家が今すぐ使う予定がない家として
残りやすくなっています。
福山市も広島県内では人口規模が大きいものの、
・製造業の盛んな地域ゆえ転勤者が多い
・子世代が県外へ進学・就職しやすい
・古い住宅地が広く分布している
という地域特性があり、
全国的な空き家増加の要因と重なっています。
3 実家が使われないまま残る“構造的な理由”
40〜60代の相談で繰り返されるのは、
親が元気なうちは実家の話題を出しにくいという声です。
これが空き家化の大きな入口になります。
理由は3つあります。
1)家をどう扱うかは“親の領域”と考えてしまう
2)兄弟間で意見がまとまりにくい
3)相続後の具体的な活用イメージが描けない
全国的にも、相続後すぐに利用される家は
2割未満と言われています。
これは福山市のデータとも符号します。
再利用可能と判断された家が半数以上あるにもかかわらず、
実際に活用へ進むケースはごく一部。
使える家が放置される家へ変わる背景には、
家族の意思決定の遅れ
という共通点があります。
4 家族の会話不足が空き家を生む時代
福山市が終活の段階から相談してほしいと呼びかけています。
全国の自治体が同じメッセージを発信しています。
空き家は老朽化や経済だけの問題ではなく、
家族が話しづらいテーマであることこそ、
増加の最大要因だからです。
その結果、
・判断が遅れ、傷みが進む
・管理費用が膨らむ
・売るにもリフォームにも踏み切れない
という状況に陥ります。
空き家増加は、地域課題であると同時に、
家族の将来設計の課題でもあります。
福山市のデータと全国の統計が示しているのは、
実家の問題は、親が元気なうちにしか整理できない
という揺るぎない現実です。
つづく