こんにちはキャリーライフ中川です。
空き家・相続・介護にどう利用できるか
親の住む実家を、将来どうするか。
空き家化や相続トラブルに発展するケースが増えています。
国土交通省の調査によると
空き家の約4割が相続や介護がきっかけで発生しています。
注目されているのが家族信託
親が元気なうちに資産管理を託すことで、
実家を守り、動かせる仕組みです。

【目次】
1-1 空き家の4割は「相続・介護が原因」
1-2 相続登記が進まない理由
2-1 家族信託で“実家を動かす”仕組み
2-2 介護・相続・売却の3つを見据えた準備
1-1 空き家の4割は「相続・介護が原因」
総務省「住宅・土地統計調査(2024)」によると、
全国の空き家は約912万戸(全住宅の13.8%)
そのうち相続後の放置、親の施設入所などが
全体の41%を占めています。
誰かが亡くなった後ではなく、
まだ生きている間に空き家が生まれています。
介護施設への入所や、
入退院を繰り返す高齢者が増える中で、
・実家を売るにも、親名義のままでは動かせない
・判断力が落ちてしまい、手続きが止まっている
といった事例が急増しています。
動かせないリスクこそ、
家族信託が注目される最大の理由です。
1-2 相続登記が進まない理由
2024年から相続登記の義務化が始まりましたが、
法務省の推計では、
全国で約400万件の未登記不動産
背景には、
・相続人が多く話し合いが進まない
・介護や看取りの途中で手続きが止まる
・判断力低下により手続不能になる
といった要因があります。
相続登記を進めるためにも、
判断力があるうちに財産を託しておくことが大事。
家族信託は、橋渡し役となる仕組みです。
2-1 家族信託で“実家を動かす”仕組み
家族信託では、
親(委託者)が子ども(受託者)に財産管理を託します。
信託契約を結ぶことで、親が認知症になっても、
子が信託財産として管理・売却・修繕を継続できます。
実家を空き家にしない、放置しない選択が可能になります。
信託協会の調査によれば、
家族信託で管理されている不動産の約6割が住宅。
親の住まいを中心とした実家関連資産です。
施設入所や在宅介護の際に、
信託財産から費用を支出することで、
生活を維持しながら資産を守ることも可能です。
実家を守るから実家を活かすへ。
家族信託がもたらすのは、この意識の転換です。
2-2 介護・相続・売却の3つを見据えた準備
家族信託は、介護・相続・住まいの3つを
同時に見据えられる点が特徴です。
介護では、施設費や医療費を
信託口座から支払う仕組みを整える。
相続では、死亡後に財産を
どのように分配するかを契約書で明示する。
売却では、親の判断力が低下しても、
子が代理で契約を進められる。
これらをひとつの契約で整理できるため、
「後見」「遺言」「委任契約」を
まとめた新しい仕組みとして機能します。
信託協会の最新データでは、
契約世帯のうち約3割が
介護・相続・不動産管理の複合目的
家族信託は特別な制度ではなく、
暮らしを守る実務ツールです。
信託を通じて家を守るから活かすへ。
これからの高齢社会における実家との向き合い方です。
つづく