こんにちはキャリーライフ中川です。
超高齢社会を迎えた日本では、
判断力の低下が最も大きな生活リスクとなっています。
厚生労働省の推計によると、
2024年時点で認知症高齢者は約690万人。
予備群を含めると1,500万人(高齢者の約4割)
誰もが判断できなくなるリスクがあります。
その時に備える新しい仕組みとしての家族信託。

【目次】
1-1 判断力低下で止まるお金と不動産
1-2 成年後見制度では“生活の柔軟性”が失われる
2-1 家族信託がもたらす3つの自由
2-2 家族で始める“判断力低下”対策
1-1 判断力低下で止まるお金と不動産
認知症などで判断力が低下すると、
本人の財産は原則として動かせなくなります。
銀行口座は凍結され、
不動産の売却や契約行為も無効。
介護費や医療費を支払えない、
実家を維持できないといった問題が生じます。
信託協会の調査によると、
家族信託を利用する最大の目的は
判断力低下への備え(全体の63%)
多くの人が、相続の前段階として
信託を使い始めているのです。
親が元気なうちに資産管理を託すことで、
後からお金が動かせない
家を直せないといったリスクを防げます。
1-2 成年後見制度では“生活の柔軟性”が失われる
判断力を失った場合に利用できる制度として
成年後見制度があります。
実際には、生活の自由度を大きく制限する制度でもあります。
後見人が選任されるまで数か月を要し、
その後も裁判所の監督下でしか
お金を使うことができません。
たとえば、
孫への支援、リフォーム、施設費の前払いなどは
原則として認められません。
年間報酬が2万〜6万円発生し、
途中で解除もできないため、
資産を守ることはできても、
活かすことができない仕組みです。
一方の家族信託は、
家族間の契約で柔軟に資産を動かせる点が大きな違い。
守る法制度から、活かす民間制度へ。
これが、家族信託が広がる理由です。
2-1 家族信託がもたらす3つの自由
家族信託の特徴は、資産を止めずに守ること。
1.お金を自由に使える
介護費・医療費・修繕費などを信託口座から支払える。
2.不動産を動かせる
親が判断できなくなっても、子が代わりに売却・賃貸・リフォームを実行可能。
3.将来の相続を見据えた設計ができる
親が亡くなった後、誰にどう引き継ぐかまで契約で定められる。
信託協会の調査では、
生活費・医療費の確保(45%)
不動産の維持・処分(36%)
信託は相続の前から家族を支える
現実的なツールになっています。
2-2 家族で始める“判断力低下”対策
家族信託の最大の特徴は、
家族が主役になれることです。
弁護士や司法書士に依頼しても、
契約の主体はあくまで家族。
信頼関係の中で管理・運用を任せ合うことで、
家族の絆と資産の安全を両立できます。
信託協会の調査でも、
契約前に家族会議を行った世帯は全体の8割。
親の想い、家族の役割、
今後の暮らしを話し合う場として活用されています。
話し合う文化こそ、
判断力低下時代に欠かせない準備です。
制度よりも対話。契約よりも信頼。
それが、家族信託の本質です。
これからの時代、
信託は家族を守る日常の仕組みとして、
介護・相続・住まいのすべてをつなぐ
重要なキーワードになるでしょう。
つづく