こんにちはキャリーライフ中川です。
健康寿命を支える家の力
介護にならない暮らしをつくるために、
医療や食事だけでなく、
住まいのあり方が重要視されています。
健康寿命を延ばすうえで、
・家の断熱性
・段差
・明るさ
・動線
住宅環境が深く関係しています。
環境省の研究によると、
断熱改修後の世帯では冬の室温が3.5℃上昇し、
医療費が約12%減少。
家の中の環境を整えることが、
介護予防策のひとつになっています。

【目次】
1-1 家の環境が健康寿命を左右する
1-2 転倒・ヒートショックを防ぐ“住宅の温度差”
2-1 住まいの工夫で介護を遠ざける
2-2 家を「支援の場」に変える発想
1-1 家の環境が健康寿命を左右する
高齢者の多くが介護を必要とするきっかけは、
病気よりも転倒や体調不良です。
内閣府の調査では、
要介護の原因の約4割が家庭内での
事故や生活習慣の乱れに起因すると報告されています。
特に冬の冷え込みや湿度の低下は、
血圧上昇や呼吸器疾患を引き起こしやすく、
住宅性能が低いほどリスクが高まります。
断熱性や気密性を高めた住宅に暮らす人ほど、
日常の疲労感・肩こり・冷えなどの
自覚症状が減少するという結果も出ています。
快適な家は健康を維持する家。
住環境の整備が健康寿命の延伸に直結しています。
1-2 転倒・ヒートショックを防ぐ住宅の温度差”
冬の住宅内死亡事故の多くは、
浴室や脱衣所でのヒートショックが原因です。
厚生労働省によると、
ヒートショックによる死亡者数は年間約1.9万人。
交通事故死者数の約5倍にあたります。
室温差の大きい家では、
転倒・めまい・立ちくらみの発生率が高く、
要介護のリスクを押し上げます。
暖房効率を高める断熱改修や、
廊下・脱衣所へのヒーター設置は、
家を温める以上に命を守る住宅改善です。
体にやさしい温度環境を整えることが、
介護を遠ざける第一歩になります。
2-1 住まいの工夫で介護を遠ざける
介護リフォームというと
手すりや段差解消を思い浮かべますが、
本質は動きやすい生活の設計にあります。
たとえば、
・寝室を1階に移動する
・キッチンや浴室を近接させる
・明るさを確保して夜間照明を自動点灯にする
小さな工夫が、転倒や閉じこもりを防ぎます。
また、室内空気の質も重要です。
湿度40〜60%を保つことで、
感染症やカビを防ぎ、
呼吸器疾患のリスクを30%以上減少できる
住宅性能を高めることは、
高齢者の自立を支える環境投資と言えます。
2-2 家を「支援の場」に変える発想
これからの介護は、施設に行くから
家で支え合うへと変わりつつあります。
国が推進する地域包括ケアシステムでは、
医療・介護・見守り支援を、
住まいを中心に結びつける仕組みが整備されています。
たとえば、
・IoTセンサーによる見守り
・訪問看護と在宅医療の連携
・リフォーム支援制度
全国で進み始めています。
家を支援の拠点に変える発想が求められています。
介護を必要とする前に、
住まいを整え、家族や地域とのつながりを持つ。
それが、介護を遠ざける最も確実な予防策です。
これからの高齢社会で、住まいをどう整えるかが、
家族の未来を決める大きな鍵になるでしょう。
つづく